十八日 ページ18
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「それでさ、お母さんが家に呼んでみなさいなんて言うから私も後に引けなくて、お風呂入ったすぐ後に二人……神威の妹と、二年でほら、今井信女って居るでしょ?その二人を呼んだの」
「そりゃあ、なんというか、騒がしそうだな」
「騒がしくなる前にミセドを大量に献上したから部屋は無事だったけどね。ま、そのせいで財布がすっからかんなんだよ〜」
貯めてたお小遣いが全部消えた、とテーブルにつっぷすると、晋助は喉でくつくつと笑いながら災難だったなァ、と私の頭を撫でた。
耳のすぐ近くてオレンジジュースの氷が音を立てる。
晋助はのんびりとアイスコーヒーに手を伸ばして、ストローを加えた。
透明な空洞の中を、コーヒーが重力に逆らって上がっていき、やがて彼の形のいい唇に吸い込まれていく。
どこからか流れてくるBGMは今流行りの曲で、静かな店内によく響いていた。
「……この後、どこ行く?」
さすがにあの晋助が喫茶店へ入っただけでお開きとは思えなくて、目線だけ上げながら首をかすかに傾げた。
「この前言ったろ、その帽子に合う服買ってやるって」
「その話、マジだったの……いやそんな気はしてたけど」
「俺は何時だって大真面目さ」
カラカラと笑う晋助に釣られて笑う。
確かに真面目だけど、変な所で不真面目だし、更に言うと銀ちゃん絡みだと悪ノリするからタチが悪い。
私は頭を持ち上げてオレンジジュースをストローから飲む。
還元百パーセントの味がした。
「服、ありがとうだけど、あんま高いのは駄目だよ?」
「心配すんな、金は湯水のように湧いてくらァ」
「とても高校生とは思えない発言!」
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美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月10日 18時) (レス) @page49 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 神谷さんさん» 神、以外の言葉が思いつきません……神谷さん神様ァあああ!!ありがとうございますぅううう! (2021年8月24日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
神谷さん - 捨てるわけないっすよ!!!私も読書感想文書かなきゃですよ!仲間ですね!()健全な高校生の高杉くん、ものすごく好きです!次回作に期待してますよ!愛してます! (2021年8月23日 22時) (レス) id: 9406ab1259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2021年1月3日 0時