07匹 :同盟 ページ8
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「処刑の日取りは三日後だ」
「それは、誰の処刑かしらね」
私が薄く笑いながらそう言うと、高杉晋助はニタリと笑う。
数秒見つめあって、高杉は派手な柄の着物を揺らして踵を返した。
その背中に思い出したように声をかける。
「……ああ、そうだ。オンボロ船には飽き飽きしていたのよね?」
高杉の歩みが止まる。
「沈みゆく泥船に乗り換える気分はどう?」
振り返った。
笑っている。
緑の隻眼が怪しく輝いていた。
「それでも、どうせ沈むんならあれくらいアホな方が楽しかろうさ。そうだろォ?泥船の船員さんよ」
その答えに、私は笑って車椅子の背もたれに体を預けた。
「あはは!負けたわ負けた。いいわ、泥船に乗り合わせてしまったもの同士、仲良くしようじゃないの」
私が手を伸ばすと、高杉は振り返った。
そしてその手を握る。
腰に剣を差しているに相応しい、ゴツゴツして硬い手だ。
「私は春雨第七師団参謀、Aよ。よろしくね、高杉晋助」
「ふ、俺ァ鬼兵隊総督、高杉晋助……いや、自己紹介は不要だったか。よろしく頼まァ、宇宙の喧嘩師さん」
「あら、それは神威だけよ」
「ふん、俺の鼻は誤魔化せねぇよ。お前も、アイツと同じ匂いがすらァ」
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アリア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!テスト頑張ってください! (2021年6月10日 23時) (レス) id: 500f657705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年10月30日 0時