44匹 :年頃 ページ45
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軍議後も書庫を見学させて貰いながらのんびりと今後の事を話しているとドアが勢いよく開いた。
誰だろうかと本棚の端から顔を出して覗き込み、私は思わず目を見開く。
「万斉先輩!晋助様がお呼びっス!」
「おや、なんでござるかな」
「また子さん、お客様がいらしてるのだからもう少しお淑やかにお願いしますよ」
「え、あ!す、すみませんっス……」
私に気がついて肩を窄める金髪の女の子に私はポカンとしたまま私は首をコテンと横に倒した。
「……女の子?」
「お、女っスけど……」
私は嬉しくて、思わずパッと笑いながら車椅子を押して近づくと、おもむろに女の子の手を握る。
「女の子とあったの久しぶりだわ。私は春雨第七師団参謀、Aよ。よろしくね」
「こちらこそ!私は鬼兵隊の来島また子ッス!」
手を握り合って笑う。
戦場で戦士としての女に会うことは稀で、それが人型である確率は非常に低い。
男より女が強い種族はいるにはいるのだが、如何せん人型とは程遠い、本当にカマキリみたいな奴らしかいないのだ。
残念ながらそれらを『女の子』と認めるには私は人ができていなかった。
「ふふ、私たち、仲良くなれそう」
「そうッスね!あ、食堂でゆっくりお話しませんッスか?」
「いいわね!」
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アリア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!テスト頑張ってください! (2021年6月10日 23時) (レス) id: 500f657705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年10月30日 0時