34匹 :弁償 ページ35
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「テキゼントーボーってやつ?でも背中なんか見せたらすぐに」
神威は高く跳躍した。
私は驚いて思わずえッ、と口から声を漏らす。
仲間が死んだくらいで無様に逃げ帰るような連中を追随するとは思っていなかったのだ。
「死んじゃう、よっ!」
拳を振り下ろしながら笑う、いつもの神威のはずなのに。でも全く目が笑ってない。
これは……相当キてるな……
その死んだ女は一体このバカになんて言ったんだろう。
温厚では無いが、基本的に取るに足らないものに対して無関心のこいつがこんなに怒るなんて、並大抵の事じゃない。
でも……
「ははっ、雑魚が」
だから、なに?
私は傘を構えてると男共を屠る神威に向ける。
そして、叫んだ。
「なに船壊してんじゃゴルァァアアアア!!!」
引き金を引くとそれに驚いた神威が伸びのいた。
外れた弾丸が周りの男たちに当たる。
「おい、今俺に当てるつもりだっただろ」
「誰が船修理すると思ってんの!」
「A」
「そうだよもぉぉおおおおお!」
フラフラと避ける神威に向かって銃弾を打ち込みながらついでに侵入者を殺していく。
しばらくその応酬が続いて、やがて神威は頬を軽く掻いた。
「……あはは、ゴメンゴメン」
「……わかればいいのよ、わかれば」
その瞳に不機嫌さが消えたのを見止めて、私は傘を下ろす。
「あーでも片付けは手伝ってね」
「阿伏兎を召喚する」
「あんたさては反省してないわね?」
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アリア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!テスト頑張ってください! (2021年6月10日 23時) (レス) id: 500f657705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年10月30日 0時