30匹 :会話 ページ31
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一瞬ザッと砂嵐が走り、河上の姿が映し出される。
私はマイクを目の前に持ってくると、こんにちは、と言った。
『こんにちはでござる、参謀殿』
「良かった、ちゃんと聞こえてるみたいね。あとAでいいわ。参謀殿なんて言いにくいでしょ」
『ならばA殿、進捗はどうでござるか?』
「んー、一応確認したし火も放ったから多分ちゃんと皆殺しにできてると思うけど」
あの星は砂を固めて家を作っているような土地で、燃えるものがなかったから船から灯油を撒いて燃やしたのだ。
……あー、灯油も買わないと。
『おや、随分早いでござるな』
「そりゃあね、傭兵家業舐めてもらっちゃ困るわ。ところで、気になってたんだけどあの星の人達は何をしたの?全滅させろ、なんて余程の事でしょう」
『……胸糞悪い話でござるよ。とある金持ちが、貿易の中継所として使いたいらしい。その為に更地にして欲しかったんだと』
「……金持ってるやつの考えることは分からんわね」
『全くにござる』
ふと沈黙が降りる。
だがまぁ感傷に浸るガラじゃない。
私は頬を搔いて口を開いた。
「あの、さ」
『なんでござる?』
「いや、消耗品を補給したいから合流は少し待ってくれない?」
『なんだ、そんなこと。了解にござるよ』
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アリア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!テスト頑張ってください! (2021年6月10日 23時) (レス) id: 500f657705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年10月30日 0時