24匹 :来客 ページ25
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カンカンと扉をノックする音に書類から顔を上げて首を傾げた。
神威はノックなんてしないし、阿伏兎にしても控えめなノックだ。
しかし他の船員が私の部屋を訪れるとは考えにくい。
「いいわよ、どなた?」
「拙者でござる」
「河上?驚いた、なんの用?」
顔を覗かせた河上に目を瞬かせる。
神威や私、それに着いて回る阿伏兎が鬼兵隊にお邪魔することは、この数週間で何度もあったけど鬼兵隊の隊員がうちに来ることは無かったのだ。
「依頼でござる……と、神威殿は?鬼兵隊の船にはいなかったのでこっちにいると思うのでござるが……」
「あー、多分訓練場。呼……んでもきっと来ないわねあのバカは。緊急じゃなけりゃ私が預かっちゃうけど」
ちなみにどんな依頼なの?と聞けば河上はサングラスを光らせた。
「取引先からの依頼で、星を一つ潰して欲しいそうでござるよ」
「その潰すってのは物理的に?それともそこに住んでる奴らを皆殺しにすればいいのかしら」
「後者」
「なら、受けるわ」
流石に星ひとつを文字通り宇宙の塵に出来るような大砲は、残念ながら持っていないが。
私達には砲に負けない拳がある。
「トップがいない内に決めていいのでござるか」
「ちょうど退屈してたの。アイツも断らないでしょ」
そう答えると河上が軽く笑った。
「なによ」
「いや、晋助の言った通りの返答だったからな。面白かっただけでござる」
「高杉はエスパーかなにかなのかしら、全く……」
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アリア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!テスト頑張ってください! (2021年6月10日 23時) (レス) id: 500f657705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年10月30日 0時