20匹 :誤解 ページ21
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私たちがほとんど泣きながら美味い美味いと米を食べるもんだから、鬼兵隊の船員も泣きながらお椀にどんどんご飯を盛ってくれた。
「この船にいる時くれぇは我慢しねぇで食いな!ん?おかわりか?おばちゃーんおかわりだとよ!」
「おいそろそろやめとけ。本当に備蓄の米食い尽くされるぞ」
「何言ってるんですか総督ぅ!この飽食の時代に米で泣いて喜ぶなんて……俺ら辛くて見てらんねーですよ……」
「いやこいつらは飽食の時代が産んだ成長期というモンスターだ」
「「おかわり!」」
「そしておめェらは遠慮という言葉を知れ」
和気あいあいとした雰囲気に、仲がいいなと笑った。
いや、うん。
確かにうちも仲が悪い訳じゃないけどどちらかと言うともっと殺伐としてるかな。
多分、神威と高杉ではカリスマの方向が違うのだろう。
だから自然と集まってくる奴らの性格も異なるし、ならば雰囲気だって変わる。
私は断然神威派だけどそこに少しでも思想が入ると高杉の方が魅力的に見えるのかもしれない。
だがまあただ強くなりたいだけの私や特に思想なんか無いであろう阿伏兎なんかでは圧倒的に神威の方が楽しく生きられる。
どちらも人を魅了してやまないような魅力を持っているのに、それが不思議にすれ違っているのは見ていて面白かった。
「ん〜食べた食べた!ね、A。お腹も膨れたしこれから運動しない?」
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アリア(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます!テスト頑張ってください! (2021年6月10日 23時) (レス) id: 500f657705 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年10月30日 0時