【銀魂】あやかし、拾いました【高杉晋助】

ひと ページ1

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バチバチと傘に当たる雨音に、はぁ、と深いため息をついた。
出掛けた時は降っていなかったものあって、折り畳み傘を持ってきたのだが。

これが失敗だった。
普通の雨傘より小さめなそれは、足元までしっかりカバーすることが出来ず、現に靴下までグチョグチョで。
その不快感に、私はまたため息を付くのだ。

濡れぬ所が無いほどの足首より下に、諦めて水溜まりの中を歩く。
最早これ以上濡れようが濡れまいが変わらなかった｡


(あーあ)


結構お気に入りの靴だったのにな、と心の中で独り言ちる。
雨の中を歩いたせいで、それは所々泥で汚れていた｡


(まあ、あまり外に出ないのだけれどもね)


実際、お気に入りだなんだと言いつつ、履く機会はほとんど無い。
三年前に買ったこの靴も、それからほとんどの汚れること無くここまで来ていた。


(やっぱり、ダメだな。外に出たところでいい事なんて何一つ無い)


雨に当たるわ、足はグチョグチョで不快だわ、靴は汚れるわ。
久々に外に出たと言うのに、何たる仕打ちだろうか｡

丸くて小さい、傘の柄を持ち直した。
じっと、つま先と地面に跳ね返る雨を見ながら歩く｡

雨に濡れた土の臭いがしていた。
少し田舎の、緑の多い土地だった。

何かに引き寄せられるように顔を上げる。


「……あれ？」


なんだろう。
黒い、モップみたいな……

ふた→

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