と ページ4
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「あちぃ……」
「言うな天パ馬鹿。余計暑くなんだろうが」
「んだとこのチビ！」
このクソ暑い日に食料調達係になっちまった俺と銀時は草木を掻き分け森の中。
すぐ側で鳴き喚く蝉が、無性に腹立たしい。
「……おい、水の音しねぇか？」
「あ？……本当だ」
蝉の声で掻き消されて聞こえなかった。
俺と銀時は顔を見合わせると、音の方向に向きを変える。
運が良ければ魚が居るかもしれないし、水を飲みに来る動物が居るかもしれない。
それに、まだ水辺の方が涼しかろう。
「あー……」
「こりゃあ見事な小川だ」
小さすぎて残念ながら魚は居ねぇだろう。
いたとしても腹の足しにもならねぇ小魚ばかり｡
銀時は大きなため息をつきながら、木陰に腰を下ろす。
「とりあえず休憩にしようぜ。このまま炎天下の中進んだんじゃぶっ倒れちまう」
「そうだな。俺も珍しくてめぇの意見に同意だ」
おら詰めろと、木陰の真ん中に座る銀時を蹴って何とか座れるスペースを確保する。
お互い、ぼんやりと川のせせらぎを聞いていた。
汗が河原の石に落ちて色を変える。
「そういえばさぁ」
「なんだ？」
銀時は頬を掻いて少し考えてからぽそりと呟く。
「なんかほしーもんねぇの？お前」
「欲しいもん？米と火薬だろ」
「いやま、そうだろうけど！そうじゃなくて」
何が言いたいのだろうか。
よくわからなくて眉を顰めたまま子首を傾げる。
(……ぁ……)
そういえば去年の今頃だった。
こいつが俺に、今でも腰にある刀をくれたのは。
そして、それが誕生日プレゼントだったということに気がついたのはかなり後になってからなのだが。
(欲しいもん、ねぇ……)
ぼんやりと川を見詰めているとガサリ、と向こう岸の草が揺れる。
俺と銀時はいつでも刀を抜けるように構え、気配を殺してその生き物が姿を現すのを待った。
やがて、イノシシがひょっこり顔を出す。
「……なんだ、イノシシかよ……」
安堵の溜息を零して、小声で小さく呟く銀時に、同じく小声でにやりと笑った。
「決まりだな」
「え、何が？」
「俺の欲しいもん」
俺はしずかに水を飲むイノシシを指さした。
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沖田レイア(プロフ) - まめさん» まめ様！ありがとうございます！今日はみんなで晋助様のお誕生日をお祝いしましょう！ (2020年8月10日 17時) (
レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - 凄く高杉さんへの愛を感じました。。 泣きました。とても良い作品をありがとうございます！ (2020年8月10日 11時) (レス) id: 857664c7be (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - Sakura様……！なんと早いコメント……！ありがとうございます！すごく嬉しいです！ (2020年8月10日 0時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
Sakura(プロフ) - めちゃめちゃ感動しました…!!!!!素晴らしい作品をありがとうございますｯｯ (2020年8月10日 0時) (レス) id: 321ab1938b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沖田レイア | 作成日時：2020年8月10日 0時
