【銀魂】もずのめ【高杉晋助】

百十一匹 ページ11

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神威様と別れ、自室に戻って仕事を片付ける。
やってもやっても湧いて出てくるから泣きたい｡
あれだよ？これ私妻だからお金貰ってないからね？
毎日が無給残業だよ。
……まあ、特に欲しい物ないからいいんだけど……


「おい、A」

「はい。晋助様？」


ドア越しに、くぐもって聞こえる声。
彼が私のへやを訪ねてくるのは、珍しい。
いつもは私からお部屋に伺うからね。


「話がある。……今、平気か？」

「大丈夫です」


ギイっと重いドアが開き、晋助様が入ってくる。
自然な動きでお客様用の座布団に腰を下ろすと、正面で正座する私の目をじっと見詰めた。
翡翠色の瞳がキラキラと輝いて美しい。


「……鬼兵隊とは関係無く、仇を討ちたい。手伝ってくれねぇか」


突然の申し出に、思わずパチパチと二回瞬きした。


「そんなの、当たり前ですよ。私にできる事かあればなんでもお申し付けください」


今更、何を言い出すのかと思えば。
何度も言っているじゃないか。
ご命令一つでなんでもすると。
なのに、あなたは私にお願いするのね。
本当に、優しい人。

彼は、安心したようにホッと微笑むと、静かに手のひらで顔を覆った。


「俺の、手で仇を討ちたい。どうしても、どうしてもあいつだけは許せねぇんだ」

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