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ようやく目を開けると、そこには腰の背丈ほどしかない小さなガキ。
「僕は小夜左文字。あなたは……誰かに復讐を望むのか……?」
復讐、という言葉に思わずピクリと反応する。
だがまあ、いくら満足する死に方をしたとは言え、人生の半分近くをかけたものだ。
簡単に捨てられるものでもあるまい。
ふ、と笑って、小夜左文字の頭に手を置いた。
「俺ァ高杉晋助。俺の復讐は、もうかなっちまってるなァ」
「そう……」
俯いてしまった頭を、ワシワシと撫でた。
なんだかシンパシーを感じる刀だねぇ、コイツは。
「まあなんだ、これからよろしく頼まァ」
「うん、よろしく」
コクリと頷き、俺を真っ直ぐに見つめた。
なんだか野良猫みてぇなやつだなァ。
それを言ったら山姥切国広もか。
「それでは鍛刀も済んだ事ですし、広間へ戻りましょうか」
「そうだな。ありがとうな、鍛刀妖精」
キツネの言葉に頷いて、鍛刀妖精にヒラヒラと手を振ると、嬉しそうにブンブンと振り返してくれた。
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美結菜 - とても面白いです!続き楽しみにしています! (2023年2月13日 17時) (レス) @page17 id: f842e5f119 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年5月15日 17時