四十一匹 ページ41
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「ありがとうございます」
それでは、と言って踵を返した。
「ああ、待てや」
なんだろうと振り返る。まだ何かあるのか。
「似合ってるぜ、その羽織」
あらあらこれは珍しい。思わず目を瞬かせた。
この人が素で褒めるなんて。
明日は槍でも降るんだろうか。
まあ、なんにせよ。
普通に嬉しい。
「……ありがとうございます」
ニッコリと笑うと、晋助様は面食らったような顔でこちらを凝視していた。確かに晋助様に笑う事は少なかっただろうが……そんなに驚くような事でも無いだろうに……
「それでは、これで失礼しますね」
今度こそ歩き出す。
背中に視線がチクチクチクチク……
若干ウザったいが、休暇を取れたことでそんな瑣末事吹っ飛んじゃったけどね!
やったよ休暇。
これで一日中酒とタバコと三味線に溺れる事が出来る!
これでも結婚からすっぱり辞めてたんだよ。
酒はまあ、嗜む程度ならおっけーかもだけどタバコは女の人が吸ってるとちょっとあれかなぁって。
一応人の上に立つ人の妻になるんだからそういう所細かくやって行かないと!って。
でも!
せっかくの休暇!楽しまなきゃ損でしょ。
煙管と残りの葉っぱ捨ててなくてよかったよ。
取っとくもんだね。
酒は、たっかーい秘蔵のやつを出して……
やば、今からちょー楽しみ。
まあ、多分一週間したら呼び戻されると思うけど……一応おのぶさんが謝ってくるまで許してやんない!
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coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時