五匹 ページ5
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「あ!A様!ここっス!」
「良かった〜見つかって。周りが屈強な男達だと視界が悪いわ。筋肉が邪魔をして見えないのよ」
席を取っておいてくれたまた子ちゃんと向かい合わせの席に座った。
部隊やその日によって就業時間の違う鬼兵隊の食堂は常に開いている。
が、やっぱり朝昼晩。ご飯の時間には混むのだ。
「あら、また子ちゃんはお肉?」
「はいっス!いや〜夜はガツンと食べたくなるんスよね〜」
「わかる!」
でもまあ、私は肉を食べると翌日胃もたれで死ぬって言うのはここ数年で嫌という程学んだし。
魚料理なんだけどね。
魚旨し。
「A様ぁ〜聞いてくださいよ。今日、練習場で部下達に稽古つけてたんスよ」
「ああ、お昼の時降りてってたよね。地下闘技場」
「そうっス、その後色々あって……」
なんでも、おうのさんが闘技場に現れ、稽古どころでは無くなってしまったと。
「……え?別にスルーして続ければ良くない?」
「まあ、そいつらが新米だったってとこもあるんだろうっスけど……私の指示を無視してあの女のご機嫌取りばっか」
また子ちゃんは深々とため息をついた。
確かにおうのさんは顔がいい。そして総督の寵愛を受けている女性。
媚びを売ろうとするのも頷けるが。
「あの人が公私混同するような人じゃない事くらい、見てわからないのかな……」
「ほんとそうっスよね。晋助様はいくらあの女にねだられたって鬼兵隊の事を疎かにする筈がないっスもん!」
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coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時