二十五匹 ページ25
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おのぶさんをお世話係に任命されたおうのさんに任せ、自室に戻る。
大事の前で、仕事がブラック企業並に多いのだ。
まあ、少数精鋭だと仕方がないのだけれど。
少しでも進めたいし。
睡眠時間を確保しないと、人間の効率はがくんの下がるからね。
(将軍暗殺、ねぇ)
そんなことが本当に可能なのかと疑いたくなるような話だ。
(根本的に、あの人が成功させようとしていない気がする)
今の鬼兵隊の力を総動員すれば、きっと将軍暗殺も出来なくはないのだろう。
というか、我々鬼兵隊はやれと言われたらやる。
そういう組織だ。
でも、なんとなく。本当になんとなく。
晋助様は勝とうとしていない気がするんだ。
馬が合うからこそわかる。
(……なんにせよ私には、二回目の戦だ)
結末はどうであれ最前を尽くそう。
私は鬼兵隊総督高杉晋助の嫁、高杉Aなのだから。
ふ、と微笑む。
いつの間にか彼と共にあれる事が誇りになっていた。本当に不思議な魅力を持った人。
だからと言って、惚れはしないけれども。
(私は、女としての唯一には慣れない)
顔は、まあ、芸妓が出来たくらいだから人並みだろうが、体つきに関してはおうのさんの足元にも及ばない。
誇れるのは、三味線くらい。
でも、私は幸い地頭がよかった。
天才ではないが、ある程度補える。
幼い頃から学び舎に通わせてくれた父母には感謝してもしきれない。
(私は、ここで生きる)
そして死ぬ。
きっとそれが生き様というやつなんだろう。
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coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時