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二十匹 ページ20

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私はニッコリと笑いかけると、


「ありがとう、お疲れ様」


と言った。


「浅野くんもとんだ災難だったわね。これから第零連隊を呼ぶから通常任務に戻っていいわ」


第零連隊とは後処理専門の部隊だ。
死体を残したくない場合とか、活躍してくれる。
表立って戦うことはしないけれど、信用第一の彼らが居なくては鬼兵隊が成り立たないほど大事で。

特に、あの破天荒な主様によく着いてこれるよな、と思う。
絶対口には出さないけど。
だって休日だと思っていても、散歩から帰ったあの人に仕事しろって言われるんだから。


「あ、あの……」

「何か?」


浅野くんはこちらの様子を伺いながらモジモジと質問した。曰く、


「彼らはなんで処刑されたんですか……?」


私はさらにニッコリ笑みを深くして


「それは、また子ちゃんの指示に従わなかったからよ。同じ空間に私とおうのさんがいたとしても、また子ちゃんの指示に従わなければならないの」

「そ、そうなんですか?」


サラサラと流れるように嘘をつく。
鬼兵隊では一応私の方が上だけど……
ぶっちゃけこの先鬼兵隊を率いていくことは無いだろうし。


「浅野くん。私達はね、侍よ」

「侍……?」

「そう。たしかに幕府に仕えてる訳じゃない。産まれだって武家じゃない。でも、それでも私たちは心に折れない刀を持った侍なの」


そういう点では、真選組と同じかもね、と呟く。
多分実際そうなのだろう。
浅野くんは黙っている。


「真選組だって、烏合の衆を取り締まる鉄の掟があるじゃない?鬼兵隊は、それが高杉晋助。ひいては幹部級なだけよ」


浅野くんは瞳を揺らすと、ありがとうございましたと礼をして立ち去ってゆく。
その後ろ姿に、私は微笑んだ。

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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 鬼兵隊   
作品ジャンル:アニメ
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coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時

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