十一匹 ページ11
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晋助様は酒を煽ると、一呼吸おいてニヤリと笑った。
殺気のような、もしくは色気のような気迫はもう慣れたけどやっぱり彼らしい。
「今更、だなァ」
「……ありがとうございます。それでは」
「まあ待てや」
さらに笑みを深くしながら、その妖艶な男は言う。
「酌しろ、酌」
「え!そんな……」
これには流石のおうのさんでも驚いたようで。
というか、私もまた子ちゃんも驚いてる。
だって、本妻を前にして妾侍らしてるのもなかなかなものだけど、その両方に酌しろだなんて。
肝が座ってるってレベルじゃない。
「……ご命令とあらば喜んで。しかし晋助様、中々に悪趣味でございますよ」
おうのさんに眼光鋭く睨まれる。
私は悪くないのに……
文句は私でなくて、晋助様に言ってよ。
「悪趣味で結構。粛清許可をくれてやったんだぜ?少しは礼をしてもバチは当たらねぇだろ」
「心にも無いことを……ですがまあ、礼は致しますよ。……また子ちゃん、今日は付き合ってくれてありがとう。また明日ね」
「え、あ、は、はいっス!晋助様、奥様、おうのさん。おやすみなさいっス」
「うん、おやすみまた子ちゃん」
「……」
「あァ、そうだ。また子、万斉に拷問の結果を報告しに来いと伝えてくれ」
「分かりましたっス!それでは、失礼するっス!」
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今日から一日一話更新です!
これからもよろしくお願いします!
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coma7672(プロフ) - すいません!前のコメント間違えて送信してしまいました、、お話最高すぎます!更新楽しみにしています!! (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
coma7672(プロフ) - 高杉晋助 (2020年4月7日 23時) (レス) id: 46f7afe943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2020年1月12日 19時