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「……あ、おい!」
「……土方先輩……」
駅前の花壇ふちに座っていた私に、駆け寄ってきてくれる。
ちくしょう、ただのイケメン。ただイケかよ。
ただイケだったわ。
「どうした、何があったんだ」
「……」
「……わかった、来い」
「え、何処に……?」
「ん?俺ん家」
ぽかんと呆ける私の頭を、優しい顔で笑って、優しく撫でてくれる。
なんて、優しい、人なんだろう。
零れそうになる涙を抑えながら、電車に乗り込む。
その間もずっと背中を撫でていてくれて。
「俺ん家ってか、俺も住み込みなんだけどよ。男ばっかしか居ねぇのは勘弁な」
「大丈夫です。確か沖田も一緒に住んでましたよね」
「ああ、ちょうど近藤さん……俺たちの、まあ、雇い主見てぇなもんだ。を迎えに行くって飛び出してったから今家にはいねぇと思うが」
「確か、や、山崎さんでしたっけ?もいらっしゃるって聞きましたけど」
「そ。大体二十人強で生活してる」
「へぇ……想像の三倍多かったです」
なんでも、今から行く所は道場で。
門下生にも部屋を貸しているらしい。
土方先輩と沖田は講師をする代わりに部屋を間借りしているそうな。
「でも、良いんですか?私、何もお返しできませんけど……」
「近藤さんは超がつくほどのお人好しだから……あ、次の駅で降りるぞ」
コクリと頷く。
そんな私を見て、土方先輩は目を細めて笑った。
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黒川紫光(プロフ) - キュンキュンしてます!これからも頑張って!続き楽しみにしてます! (2019年12月26日 2時) (レス) id: de2b78e93f (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - 七重さん» ありがとうございます!励みになります……これからもどうぞよろしくお願いします! (2019年12月18日 18時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
七重 - とってもこの作品面白いです!作品作り頑張ってください! (2019年12月18日 16時) (レス) id: cdecf486aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年12月11日 20時