【銀魂】落日【高杉晋助】【高杉晋助生誕祭】

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「銀さん、今日は飲みすぎだよ！」

「うっせーな。今日は飲みたい気分なの！」

「酔い潰れる前に切り上げなって」

「まだまだ飲めらい！」


店長の言ってる事はせーろんで。
わかってんだよ、んな事は。
でもよォ、家に帰れないの。
分かって？
銀さんの悲しみと痛みをわかって！

更年期か、歳か。
緩くなった涙腺を隠すようにカウンターへ突っ伏す｡

ふ、と隣に誰かが座った。
見てないけど、気配で分かる。
白夜叉舐めんなよ。


「オヤジ、菊理媛」

「そんな高い酒置いてねぇよ！つーか子供が居酒屋来ちゃダメだよ」


子供？
どうしたのだろう。
気になってノロノロと視線を上げる。
顔は見えないが、どうやら十歳前後のガキのよう。


「だって仕方ねぇだろ？約束してたんだからよ」

「約束？」


翡翠の瞳と目が合う。
紛れもない。
間違うはずもない。


「なあ、銀時」


酔った幻覚かも知れない。
幻聴かもしれない。

でももう、なんでもいい。
そこに居てくれればなんでもいい。


思わず抱きしめた。


「高杉っ……高杉！」

「ちゃんと聞こえてらぁな、銀時」


昔、子犬のように戯れていたあの頃のように。

小さな手が、俺の頭を掻き撫でた。




(ああ、相変わらず綿あめみたいだ)



時計が十二時を過ぎ、ボーンボーンと鳴いた。

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