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「……ったく、あぶねーな」


えっと顔を上げると、本棚は額スレスレで止まって居て。
ゆっくりと元の九十度に戻ってゆく。

た、助かった。
思わずペタンと尻餅をつく。
怖かった。
死んだかと思った。


「怪我ァしてねぇか」

「は、はい。大丈夫です」


そうか、と顔を覗かせた殿方は、うわ、イケメン。
ちょっと驚いたような顔を一瞬したけれども、イケメン。
つーか、何処ぞのラブコメやこれは。
図書室で?
本棚倒れてきて、イケメンが助けてくれる。
何処にでもありそうなラブコメ、もとい三文文学。


「立てるか」

「あ、どうも」


伸ばされた手を借りて立ち上がる。
いつもはそんな事しないんだけどね。
今は急に緊張して、急に安心したせいで膝がガクガク。
致し方ないのよ。
決してラブコメじゃ無いから。


「ありがとうございました」

「ああ、気にすんな。それよりも本戻さねぇと」

「あ……」


そう言えば。
後ろを振り向くと散らばった本、本、本。


「下校時間も近ぇし、俺も手伝うから。とっとと終わらすぞ」

「あ、りがとうございます……」


片付けまで手伝ってくれるとは。
いい人やん。
イケメンと金持ちは嫌いだけど見直しちゃった。

本を拾って、番号と作者名を見ながら棚に戻してゆく単純作業。
そんな中でもイケメンは絵になるんだな。これが。

本を取ろうとしゃがんだ時、男なのに私より綺麗な、少し紫がかった髪がふわりと揺れるのがイケメンなんですわ。

あ、ごめん撤回する。
このクラスのイケメンになるともうね。
開脚前転してもイケメンだよ。
腹立つ。


「……この時間、図書室にいるなんて珍しいな」

「え?いっつもいますよ?」

「そうなのか?俺も結構な頻度で居るが……」

「あそこの机で勉強してます」

「ああ、そこならお互いに見えにくい位置だなぁ」


……ほんとにイケメンは顔だけじゃなく声もいいんだから羨ましい。
神はこの人に万物を与えすぎなんだよ。
半分…いや、半分の半分でもいいからうちに分けてくれ。分けてください。


隣のイケメンにバレぬよう密かにため息をつきつつ,

単純作業に励むAちゃんなのであった。

☆→←第三部 不審者は恩人編



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設定タグ:銀魂 , 高杉晋助 , 学パロ   
作品ジャンル:アニメ
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ASUKA - 沖レイさん、頑張れぇぇぇええ!!!!!私もテストなんです、一緒にがんばりましょー! (2019年9月28日 23時) (レス) id: 2aeb894d27 (このIDを非表示/違反報告)
Night(プロフ) - 沖レイさん、テスト頑張って下さい!私の気力、全部差し上げます!!私、みえました。沖レイさんにむかって推しが応援している姿が!! (2019年9月20日 23時) (レス) id: a39d20f6cd (このIDを非表示/違反報告)
トオ - とっっっても面白いです!!頑張ってください! (2019年8月28日 6時) (レス) id: c0c29da7c2 (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - Nightさん» 圧倒的ハピエン……ありがとうございます!参考になります! (2019年8月23日 21時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)
沖田レイア(プロフ) - のあさん» 死ネタは泣きますよね!コメントありがとうございます (2019年8月23日 21時) (レス) id: b13dceedcd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:沖田レイア | 作成日時:2019年7月15日 18時

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