宵四十三 ページ43
「お帰りなさい」
煉獄家にて出迎えてくれたのは、杏寿郎の弟、千寿郎だった。
あ、絶対あの子の髪も触り心地最高だよ、お触りしていいかな。と、撫でるAを見つめる方が二名ほど。
「俺も……」
「私も……」
キラキラと瞳を輝かせ、自分にもしてくれと見つめているが、禓黒A、二人の熱い視線にまったく気づかない。
「A?Aが来たのか!?」
ここでおじいちゃん登場。
「A!折り入って話がある、来てくれ」
真剣に頼まれ、ついていく他なくなったA。
「二人で話がしたい」
遠回しに三人はついてくるなと言うくらいだ。きっとろくな事ではないだろう。
客間に案内され、茶を出される。
「お前にとっても私にとっても、大事なことだ」
「……」
相槌を打ちながら、茶を啜る。
「煉獄家に、嫁いできてくれないか」
「__ブフッ!!」
部屋に入って二言目で唐突過ぎる申し出に、Aは盛大に茶を吹き出した。
「冗談だ」
「……」
さてはこいつ、私の反応で決めたな……。
そうでなくとも笑えない冗談だ。付き合ってられないと溜息をこぼし、部屋を出ようとするA。
だがここで、槇寿郎の雰囲気が変わる。
「__ッ!」
刀の抜く音が微かに聞こえ、Aも瞬時に反応し、刀を抜く。
刹那、鉄の鈍い音が響いた。
……どういうつもりだ槇寿郎さん。
私に、刀なんか向けて。
「やはり、太刀筋が変わったな」
……最初っから可笑しいと思っていたんだ。
「少なくとも、光の呼吸で使うものじゃない」
鬼殺隊をやめた槇寿郎さんが何故、腰に刀を差しているのか。
「A、聞くぞ」
これが、狙いだったわけか。
「光柱をやめてしまうほど、声が出せなくなるほど、お前に何があった?」
誤魔化せはしないと、目の前の瞳は語っていた。
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息抜き(プロフ) - カカさん» コメントやお星様までありがとうございます、頑張りますね(*_ _) (2020年1月14日 1時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
カカ(プロフ) - 主人公の周りのキャラの優しさが滲み出ててすごいよきです、、、。見る度にお星様を押してしまいます。更新の方無理をなさらずに頑張ってください! (2020年1月14日 0時) (レス) id: c193d50bb9 (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - ばぐさん» コメントありがとうございます。私もコメントが来る度に飛んで喜んでます。頑張りますね<(_ _)> (2020年1月8日 18時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - とても面白くて通知が来る度 飛んで喜んでいます!これからも頑張ってください! (2020年1月8日 18時) (レス) id: c64457db9e (このIDを非表示/違反報告)
息抜き(プロフ) - 無気力人間Aさん» コメントありがとうございます。更新頑張ります<(_ _)> (2020年1月7日 19時) (レス) id: 1ca44e1fd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:息抜き | 作成日時:2019年12月2日 1時