鳥居が三基 ページ3
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障子から入る光が眩しい。
そっと目を開けるとどうやら神社の一室に移動していた様だ。慣れた匂いが鼻腔を擽る。
何時もの和室､何時もの少し埃っぽい匂い。
＿＿＿そして､何時もの違う､人間の気配。
千年生きた妖狐のオスマンは､初めて人間と床を共に過ごした。生産性の無い､欲望に従っただけの行為をだ。
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確かに､今までの生贄の中でも色気を使って何とか魂だけは逃れようとする者も居た。
確かに､興味本意で生贄を惑わし掌で踊らせた事もあった。大体手は出されなかったが。
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だけど､今回は違う。
お互い､そういう雰囲気は一切出していなかった。
敷地に入った時も､やましい事を考えている気配は無かった。
では､何故？
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人の本能として魂を抜き取られ喰われる前に自身の種を残そうとした為？
山道を通る途中に､俺を恨んでいた悪霊に意識を乗っ取られていただけ？
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＿＿＿＿答えは､きっと､この生贄から聞かなければならない。
気が遠くなる。
妖狐の俺が､人間というちっぽけな存在に振り回されるという事実は多少気分を不快にさせたが､そんな不快を上回る怠さが身体を支配していた。
なんせ､昨日の昼から夜が更ける頃までこの身を好き放題されていたのだ。流石の大妖怪様もこれには堪える。
とりあえず､湯浴みをしたい。
この神社に湯をはる場所など無い､なので必然的に外の川に体を清めに行く事になる。
そこまで体に鞭を打って歩く事を考えると更に体が重くなる気がした。それでもこのままよりはマシだろうと言う事で､申し訳程度に掛けられてあったろくに手入れもされていない布団を押しのける。
ここで生贄が目を覚まさなかったのは運がいいのか悪いのか。足音をたてず､尻尾を壁に当てないよう慎重に和室から抜け､外を目指す。
無情にも廊下でキィ､と目障りな音がなってしまったが､生贄は目を覚まさなかったらしい。
何時もよりも川への道が遠い。
他の事に意識を割きながら目的地に行こうとすると､足の動きが鈍くなった。それでも叱咤し､やっと目的の川まで着いた。
吐いた息は白く染まり､青い空へと溶けていった。
山の方から流れてきている冷たい水は透き通り､オスマンも大変気に入っている。
そんな水で､汚れた身体を洗うとは想像もしていなかったが。
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幽遥(プロフ) - 時計さん» うー楽しんで頂けて何よりです!!確かにタグは入れた方が良かったですね…コメントありがとう御座います!! (2022年12月31日 7時) (
レス) id: 28debb4860 (このIDを非表示/違反報告)
時計 - 設定タグに男主入れた方がいいんじゃないかなぁ。(個人的に)やばい読むの楽しいw (2022年12月31日 0時) (レス) @page14 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
時計 - わかりました！ご丁寧な対応ありがとうございます！ (2022年12月31日 0時) (レス) @page14 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
幽遥(プロフ) - 時計さん» 最近のスマホはすぐ変換されてすげぇーとか思ってら普通に見逃してました…コメントありがとう御座います!!すぐ直して来ます!! (2022年12月31日 0時) (レス) id: 28debb4860 (このIDを非表示/違反報告)
時計 - あの…初コメでこれいうのどうかと思うんですけど…「とりあえず湯呑みをしたい」って湯浴みのことじゃないのかなぁって思いました。この作品の描き方が大好きで文章を読めばリアリティのある風景が頭の中に出てくるところがすごいなと思いました！ (2022年12月30日 23時) (レス) @page3 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：幽遥 x他1人 | 作成日時：2022年12月29日 17時
