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あまりの人の多さに驚きながら人の波を掻き分け先を急ぐ。
「俺、ここの花火大会初めて来るんだけど毎年こんな人来るの?」
リオ「そだね!毎年こんな感じ。もぉ、鬱陶しいこの人だかり!!」
花火の打ち上げ時刻が刻々と迫るにつれて人は増え、リオの機嫌もそれと比例してみるみる悪くなっていった。
リオ「足痛いし、もう歩けないー!ねぇ少し外れよう?あぁーもー喉乾いたっ!」
グイッと腕を引っ張られ、人の列から逸れた。
「じゃあ出店見に行こうよ。」
方向転換をして神社の境内にある出店を見て歩く。
お祭り気分を味わいながら、めぼしい物を幾つか買うと、人気のないベンチに腰掛けた。
リオ「あー疲れた。タカヒロくん人混み平気なの?」
「ん?うん、俺はね。」
チョコバナナを頬張りながら適当に受け答えする。
リオ「タカヒロくんとだから我慢してるけど、違う人となら絶対帰ってるし!笑」
色鮮やかなブルーのトロピカルジュースをゴクゴクと飲みながらこちらを見つめて彼女は言った。
それにわざと気付かないフリをしてこのつまらない待ち時間が一刻も早く過ぎるのを願った。
リオ「近道していこ!」
時間が迫りそろそろ移動しようとリオは立ち上がり、人のいない社殿の裏側に向かって歩き出した。
「こんなとこ通れんの?!」
リオ「地元民なら知ってる裏道だよ笑」
後について行くと突然振り返り、俺の目の前まで戻って来てピタリと止まった。
リオ「ねぇ、タカヒロくん。」
「…何?」
リオ「私と付き合って?」
彼女はハニカミながらも自信ありげに俺を艶っぽく見つめた。
「いきなりだなぁ笑………なぁんでよ?笑」
リオ「私の気持ち、分かってるクセにっ!」
突然の彼女の告白に嫌気がさした。
「……ゴメ……
『西島?!』
突然呼ばれて振り返ると、同じクラスの吉岡がこちらを見て突っ立っていた。
「ん?ああ?!吉岡?なにしてんのー?」
ベストなタイミングで現れた救世主に自然と笑みが溢れ、2、3歩歩み寄った時に気が付いた。
吉岡の後ろに隠れてこちらの様子を伺う彼女…
二人の手は繋がれていて、聞かずとも関係の深さが伺い知れた。
チラッと見えた彼女は息を飲む程に美しく、俺の心は何故だか一気にザワついた…
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nikiki(プロフ) - あっ、見えない原因が多分分かりました笑 ありがとうございます (2020年4月26日 15時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - nikikiさん» コメントのお返事遅くなり申し訳ありません泣 3なのですがフラグが立ってしまいまして18歳未満は観覧出来なくなってしまいました…折角読んで頂いているのに申し訳ない次第です!18歳以上で御座いましたらそのままご覧頂けるかと思います(o^^o) (2020年4月26日 2時) (レス) id: 97f9b005f0 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 失礼ですが、どこで3を読めるですか?続きすごく気になります!ありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
nikiki(プロフ) - 初めまして、ストーリー見つけてハマっちゃって一気1と2も読みました。2人の恋、大人になって生活環境変わっても変わらずで居るのに、互いに届けてなくてこっちまで胸ギュッて悲しくなりました。素敵なストーリーありがとうございます。 (2020年4月25日 5時) (レス) id: f8ae1d9c82 (このIDを非表示/違反報告)
Ika2424(プロフ) - てんさん» こんなノロノロ更新に飽きずに見て下さってありがとうございます!何だか手違いで書いたものが消えたりとトラブってました汗)恋って楽しいけど苦しいですよね。2人がどんな選択をするのかたのしみにしていて下さい(^人^) (2019年7月1日 0時) (レス) id: 832d371e00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ika2424 | 作成日時:2019年4月7日 8時