決死の追いかけっこ【枢木皐月】 ページ14
今日はハロウィン。学園内も浮かれている。まあ当然といえば当然か。この学園には楽しいことが好きな人がとにかく多い。
で、だ。イタズラ好きな人も中にはいる。そしてそれに命をかけているアイドルも……うん。約1名。
「お菓子余分に準備しとかなきゃ……」
それは昨晩のこと。イタズラに全身全霊をかけているアイドル、枢木皐月くんの彼女である私は、おそらく私が真っ先に狙われると思いせっせとお菓子を作っていた。イタズラだけは勘弁だ。
このくらいあれば十分かなと思う量を用意し、無事に就寝。彼氏からLIMEが来ているとも知らずに。
皐月A、お菓子ちゃんと用意してるんだろうな?準備してなかったらイタズラするから!
皐月……A?彼氏のLIME無視するとかいい度胸してんじゃん。
皐月明日、覚悟しとけよ
そしてそれを朝になって気づいた。血の気が引く感覚。ああまずい、これはすごくまずい気がする……!文面からでも怒りと苛立ちがひしひしと伝わってくるそれ。持っていったお菓子を全て巻き上げられる気がする。まあ気付かずに寝てしまったのは私なのだから、腹をくくろう。
そして今。今は朝の8時前。この時間帯は皐月くんも来てない。私はあまり動き回らずに2期生の教室で隠れていた。すると、とんとんと肩を叩かれる。びっくりして振り向くと、そこにはいないと思っていた皐月くんが。
「……!?」
「A、こんなとこで隠れて何してんだよ。」
「そ、それは……」
「オレから隠れるため、だろ?」
皐月くんは意地悪そうに口角をつりあげ、私との距離を詰めてくる。
私は身の危険を感じたのですぐ近くのドアを開けて外に走り出した。
「へぇ、追いかけっこ?いいじゃん、絶対捕まえてやるし!」
私は猛ダッシュで逃げる。でも、そこは男女の体格差。私が頑張って走っても皐月くんは後ろから距離を詰めてくる。
初めは30mくらい開いていた距離も、20、10、5……と近づいてきてついに皐月くんに捕まってしまった。
「へへっ、捕まえた!」
「う……」
「じゃ、捕まえたことだし……A、Trick or Treat!」
まあお菓子ならある。持ってきてるから……と思い、ハッと思い出す。……私、持っていく前に玄関に置いたあとどうしたっけ……?
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時雨(プロフ) - 返信が遅れてしまいすみません…!自己満足の塊を褒めていただけて嬉しいです!また、リクエストありがとうございます!朔空くんですね!必ず書きますのでお待ちください! (2020年12月2日 0時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
匿名希望 - お話読ませていただきました!とても素敵な内容ですね!よろしければリクエストで 麗 朔空くんのお話を書いていただけないでしょうか…?ご検討の方よろしくお願いいたします! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 3121e4924c (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あんこ玉さん» 見て下さりありがとうございます!アイチュウの短編集少ないので書いちゃいました……!推しばっかり書いてますがリクエストも受け付けているので何かあれば気軽に言ってくださいね! (2020年9月13日 21時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
あんこ玉(プロフ) - わぁ、!!アイチュウの短編集だ!とっても面白いです!!更新頑張ってください!! (2020年8月20日 3時) (レス) id: d746c6a26c (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - あいす(あづき)さん» こちらこそとんでもない自己満作品を好きと言っていただけて嬉しいです!更新頑張ります! (2020年7月26日 19時) (レス) id: d684e24860 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時雨 | 作成日時:2020年7月22日 0時