運命11 彩side ページ12
「ダメだ…繋がらない。」
あれから、翼の携帯に何度かけても、聞こえてくるのは無機質な機械音だけだった。
もう、電話もしたくない…翼、そういうことなの?
また出てきそうになる涙をこらえる。
そんな私を見た若武が、怒りと悔しさをぶつけるようにまた机を叩いた。
「何でっ…何でだよっ!何で何も言わねえんだよ…」
仲間だろ…泣いてるようにそう言う若武の言葉に、皆が俯く。誰も、その答えなんて分からないから。
そんな暗い雰囲気の中、忍の一際明るい声が間を駆け抜けた。
「あいつのこと連れ戻すって決めたんだろ?じゃあ、何であいつが離れていったかじゃなくて、連れ戻す方法考えるべきじゃね?」
口調はあっけらかんとしているものの、菫色の瞳には焦りも混じっている。
やっぱり、心配だよね…でも、忍の言葉は胸の中にスっと入った。
理由なんて、翼に会ったらいつでも問い詰めることはできる。
先に、どうやって会うかを考えるべきだもの。
「賛成。あいつのこと、何がなんでもとっ捕まえて吐かせる。」
いつもは冷静沈着な上杉君は、若干の怒りを含ませた口調で乱暴に言い放った。
言葉遣いは荒いものの、それが翼に向けた優しさだってことは、分かってるけどね。
「美門と一番接触できるのはお前らだ、アーヤ、七鬼。」
黒木君が漆黒の瞳で私たちを見据える。
責任重大だ…
ゴクッと唾を飲み飲むと同時に、今度は小塚君が弱々しく発言を求めた。
「でも…こんな別れ方したのに、学校来るのかな、美門…」
それは、皆薄々思っていたことだった。
もう学校には来ない…?
どこか遠くへ行ってしまうの…?
「学校に来ないなら、町中探し回ったらいいだけだよ!」
遠くへ行ってしまうのなら、行ってしまう前に見つける。
何も言わずに別れるなんて、許さない。
「だって…KZは、1人もかけちゃダメでしょ?」
私の言葉に、皆ニヤリと笑った。
「だな!」
自信ありげな笑みは、今の私にとってすごく頼もしい。
翼を絶対連れ戻す…
皆の意思が一致した。
私たちの絆を、バカにしないで?
KZは、貴方1人でもいなかったら成り立たないんだから…
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翼は浜田にいる設定です!
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由希 - 面白い!更新頑張って!楽しみにしてます! (2022年4月10日 20時) (レス) id: 2f26b28cc8 (このIDを非表示/違反報告)
みずは翼(プロフ) - 由香里さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2019年9月9日 17時) (レス) id: 9487e9fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
由香里 - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年9月2日 15時) (レス) id: 70dce2c9c8 (このIDを非表示/違反報告)
みずは翼(プロフ) - 吹雪姫さん» ありがとうございます!他の作品も応援してくれて、嬉しいです!!頑張りますね♪ (2019年8月14日 22時) (レス) id: 9487e9fcb1 (このIDを非表示/違反報告)
吹雪姫 - 続き頑張ってくださいね!応援しています! (2019年8月14日 18時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みずは翼 | 作者ホームページ:http://mizuha.uranai@tututu
作成日時:2018年12月15日 23時