今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:2,000 hit
小|中|大
72「消えてしまった彼女」 ページ3
トウマside
あれから数日。澄朧さんは姿を現さない。
やっぱり、帰るべきじゃなかった。
そう後悔してしまう。心につっかえて離れないんだ。
「はぁ…」
そんな風にため息をついたって、姿を現すわけが無い。
妖怪探偵団の皆に相談しようかな、そう考えても酒呑くんのせいでそれどころじゃない。
《ワザワイガ、チカヅイテキテイル…!》
不意に聞こえたその言葉。
心なしか、澄朧さんの声に似ていた。
災いが近づいてきている…?
よくわからない。災い…、とんと検討がつかない。
「あ…、あの…?」
話しかけられた。振り向けばそこには三人の妖怪が。
「A…。いまどこにいるか、わかる…?」
尋ねてきたのはミサキ。
「ごめん…。僕もわからなくて」
「家にもいず、学校にもいない…。いったいどこにいるのさ」
嘆く鬼妖怪。
「君は…?」
「あぁ、温羅。そしてこっちがシイ」
温羅。そして隣にいるのがシイだそうだ。
そう認識するや否や、「またね」と言うミサキ。
急いでいるみたいだ。
わからなくもない。むしろわかる。
ミサキたちの気持ちが。
誰か大切なを喪失する辛さは痛いほどわかりすぎるんだ____。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
15人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ