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72「消えてしまった彼女」 ページ3

トウマside

あれから数日。澄朧さんは姿を現さない。

やっぱり、帰るべきじゃなかった。
そう後悔してしまう。心につっかえて離れないんだ。

「はぁ…」

そんな風にため息をついたって、姿を現すわけが無い。
妖怪探偵団の皆に相談しようかな、そう考えても酒呑くんのせいでそれどころじゃない。


《ワザワイガ、チカヅイテキテイル…!》


不意に聞こえたその言葉。
心なしか、澄朧さんの声に似ていた。

災いが近づいてきている…?
よくわからない。災い…、とんと検討がつかない。

「あ…、あの…?」

話しかけられた。振り向けばそこには三人の妖怪が。

「A…。いまどこにいるか、わかる…?」

尋ねてきたのはミサキ。

「ごめん…。僕もわからなくて」

「家にもいず、学校にもいない…。いったいどこにいるのさ」

嘆く鬼妖怪。

「君は…?」

「あぁ、温羅。そしてこっちがシイ」

温羅。そして隣にいるのがシイだそうだ。
そう認識するや否や、「またね」と言うミサキ。

急いでいるみたいだ。
わからなくもない。むしろわかる。

ミサキたちの気持ちが。

誰か大切なを喪失する辛さは痛いほどわかりすぎるんだ____。

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作者名:ピカヒカリ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月31日 10時

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