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71「語りかけたって」 ページ2

『ごめん…。私のせいで…、私のせいで…』

いくら、消えてしまった「君」に語りかけたってもう戻ってこないということはよくわかっている。
だけど、語りかけてしまう。戻ってきて欲しい、そんな思いを込めて。

「大丈夫?」

泣き喚く私に話しかけてきてくれた月浪くん。
「大丈夫?」心配そうに聞いてくるのだけど、そんな大丈夫なわけないじゃないか。

『大…丈夫…だよ』

涙を拭いて悲しみを捻じ曲げて無理やりに笑顔を作る。

「そうは…、見えないよ…?」

『気を遣わなくたって大丈夫、これからも何とか、やって…いくよ』

無性に悲しみを克服して、未来に希望を抱くように見せたい。
そんな思いが言葉に出てくるが、自分自身そうはなれていない。


しばらく沈黙の空間が続き、その後月浪くんはこう言った。


「妖怪探偵団に入ってよ」


妖怪探偵団。
どんな組織なのだろうか。疑問は浮かんだが、到底入る気にはなれない。

こんな悲しみに渦巻かれたまま入れる気がしない。

いくら、誰だか知らないメンバーが快く介入を認めてくれたところで、私には入る資格なんて無い。

『結構ですよ…。迷惑かけちゃいけませんし』

「迷惑なわけ、ないよ!!」

どれだけ、そんな言葉をかけられたところで今の私には響かない。
昔みたいに笑顔にはなれない____。

72「消えてしまった彼女」→←あらすじ



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作者名:ピカヒカリ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年7月31日 10時

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