毎度お馴染みマキペース【バンドやろうぜ！】

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｢いやだ……もういやだ……｣


砂浜の、岩場の影。白波がギリギリ届くか届かないかの所に膝を抱えて座り込む。時たま大きめの波が来ると、足が冷たい。


話を戻して、何が嫌って全裸の知らないおじさんが現れた事です。木材を荒らした猿達の親玉らしく、引っ捕えられてきた。隠すべき所はギターによって隠れているものの、これは精神的にくる。かなりキツイ。


終いには、そのおじさん…ヌーディストキングとやらに賛同したBLASTも脱ぎだしたとあっては、目眩がした。悪夢再びかと……なので、私は今海で目と心を癒しているのです。海は広いなぁ……大きいなぁ……


｢はぁ、せっかく見習いさんと高良さんに貰った、前向きになるきっかけが……｣

｢何してんだ｣

｢っうわぁあ！ま、巻君いつから！？｣

｢気になるだかどうだか｣

｢そんな中途半端な｣


ボソボソと私のひとり言に、巻君が飛び入り参加してきた。今はあまり話したくないのになぁ。不幸中の幸いとしては、彼が水着着用である事のみ。


｢あ、もうあっちは済みましたか？｣

｢猿どもも使ってステージ作り再開だと｣

｢そうですか…………じゃ、じゃあ私戻りますね｣


なんとなく居心地が悪くて、この場から離れようと思った。


｢待て、気になるって何がだ｣


ですよね。


掴まれた腕を振り払えるほど、私に腕力はなかった。

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