やらかした ページ13
「＿＿イデア先輩！」
鈴が転がるような可愛くて透明感のある綺麗な声が自分を呼んだ。
「っ、監....督生」
「えへ、見かけたので走ってきちゃいました」
監督生氏は頭についた木の葉を取りながらふにゃっと笑った。
無邪気で可愛らしいくて、愛くるしい笑顔。
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.....エ、ちょっと待って、それってほんとに拙者...
「イデア先輩？」
「ハギャ！？！？」
「うわっ？え、な、何？先輩？大丈夫ですか？」
「だっ、だっだだっ....！！！」
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転げ落ちた拙者を監督生氏が覗き込む。
心臓が宙返りした気がした。
ふわり、と甘くてお洒落な香りがする。
ひぁ、い、いいにおいする....！！！！いやいやキモすぎだろ巫山戯んな！！！！！
「大丈夫じゃない....！！！」
「え、ええ？」
監督生氏は明らかに困惑した様子で、眉を下げた。
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「か、か、監督生氏は....！！！」
「は、はい？わたしですか」
「どうして拙者なんかと仲良くしてくれるの...？？？」
ずっと不思議だった。
なぜ自分なんかに声をかけてくれるんだろう。
なぜ自分なんかに笑いかけてくれるんだろう。
「て、ていうか僕なんかに話しかけても何か得あります？ｗ」
そうだ。
彼女はいつも可愛らしいけど、裏ではきっと自分のことを笑ってるんじゃないか。
ただの気分転換なんじゃないか。
彼女の周りにはいつも好いてくれる人がいて。
それなのに、自分に話しかける必要なんてないんじゃないか。
そう考えると、頭が熱くなって、どんどん舌が回っていった。
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「君も僕の実家に媚び売りたいとか...？き、君も本当はこんな呪われたキモオタ陰キャなんて影ではばかにしてるんでしょ？ｗあ、も、もしかして、コミュ障とも仲良くできる私すごいみたいな？」
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べらべら思ってもない余計なことばっかり並べて、違う、本当はこういうことが言いたいんじゃないのに、と焦る。
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「ね、ど、どうせそうなん＿＿」
「....っ、馬鹿にしないで」
顔を上げた瞬間、後悔に襲われた。
そして、怒ったような傷付いたような顔をした監督生を見て思う。
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＿＿あ、やらかした。
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作者名：ぴの x他1人 | 作成日時：2021年4月17日 16時
