20.ミケ ページ20
俺の猫。
一松くんの猫。
「私人間なんだけど！」
「いや、名字からしてミケだし猫じゃん」
「ひどい！」
「約束破る方がひどいからねえ？」
くそ、こいつ地味に脅してきやがる。
約束破るんだ？ってか。
「いいじゃん、ちょっくらイタズラ手伝ってもらったり俺の遊びになってもらうだけだから」
「一松くん、遊び相手の間違いじゃない？」
「間違ってるわけ無いでしょ。だってミケは猫じゃん」
「三宅だし人間です！」
「どうでもいい」
「よくない！」
「なに。猫のくせに逆らうの？」
うっ。
そのちょっと薄ら笑いの余裕かましてる感じ、大変いらっときます。
キッと一松くんを睨むも逆効果。変な顔って大笑いしてる。
悪かったなあ。急に変顔して。
「まあミケは俺が指示したときに従ってくれるだけでいいから」
「それ“だけ”って言わない」
「何か言った？」
「いえ、何も」
「ん。よろしい。じゃあ早速だけど」
ごくりと生唾を飲み込む。
こいつは何を言い出すのだろう。
そして私は知る。悪魔の恐ろしさを。
「これつけろ」
「え、何この水色の箱」
「首輪」
「うっ、急な腹痛。帰らなければ」
「明日からリード追加」
「なんか収まってきた」
「そう、じゃあつけろ」
差し出されたのは箱と同じ色の薄水色の首輪。
デザインとかは確かにかわいいんだけど…うん。人がつけるものでは無いだろう。
しかし、横からは早くつけろと言わんばかりの一松くんの威圧が感じられたのでつけないわけにもいかない。
ええい。もうどうでもいいわ。
「っ、ぶほっ。お前、まじでつけたの！？」
「え？だ、だってつけろっていうから…」
「まさか本当にやるとは…。やっぱお前生粋のバカ」
「ひどい！」
「まあいいや。それ午後の授業中ずっとつけとけ」
「え、やだ…って言うわけない」
目が、目が笑ってなかった。
笑顔なのに目だけ笑ってなくて、断ったらリードな？って言われてる気がした。
クラスメイト達の視線が痛いがそれよりも一松くんの笑顔が怖い。世界が滅んでしまう勢いだ。
やがてチャイムが鳴り、優しい女の先生が受け持つ世界史の時間。
やはりこんなものをつけている私はいくら最後列でも目立ってしまうようで。
「み、三宅さん！どうしたのその首の…あの…首輪…」
「…おしゃれです」
「ぶほっ」
「そ、そうなの？」
ほら、先生困ってんじゃん。
てか犯人笑うなよ。
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薫 - 超泣けました。 一松イケメンかよ(´;ω;`) これからも頑張ってくださいね!! (2016年2月25日 0時) (
レス) id: dcb8c365a4 (このIDを非表示/違反報告)
はるる - 続編楽しみにしています！ これからも頑張ってください (2016年2月14日 15時) (レス) id: 260c6f1543 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 作者Aさん» 素敵な作品と言ってもらえて感動の限りです( ；∀；)続編が遅れてしまい申し訳ありません。これからも頑張りたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - 月宮さん» 続編遅れてしまい申し訳ありません。続編からは番外編も予定してあるので！よければ見てくださいね(*´▽｀*) (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
トシア(プロフ) - ラナさん» ラスボス感を出させたいがためのハタ坊です(*´▽｀*)かっこいいハタ坊に夢見てます。 (2016年1月11日 15時) (レス) id: c802c9d4f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：トシア | 作成日時：2015年11月21日 15時
