転生？チート？そんなもん知るか。今はただ推しを愛でるのみ【転スラ】

17話 ページ23

『…え？』

「聞こえなかったのならもう一度言おう。余と共に、魔国を制圧しに行くことだ。もしくは、一週間の謹慎処分。償いたければどちらかを選べ」





ぞわっと、背中に悪寒が走る。

そうだ。今更思い出した。









この人は、ルド兄は、王者なのだと。

それも、そこらに転がっているような有象無象の王ではなく、世界の覇権を争う程の。

ルド兄からすれば私は多少力があって、自分が名付けたに過ぎないただの魔物。

しようと思えば、いくらでも残酷な罰は下せる。


想定していた中で最悪の答えを、ルド兄は私に言い渡した。


『っルド兄、そんな…』

「そうよルドラ。魔国を自らの手で制圧するなんて、この子にできるわけないじゃない」

流石に酷いと思ったのか、グリ姉も少し咎めてくれた。

しかし。


「甘いな。お前まで温い考えに染まったか、ヴェルグリンド。


魔国の制圧は、この世界でのギィとのゲームに勝利する為の必須条件。


Aが出来ぬというなら、余とタツヤ、ダムラダ達でやるのみだ。




さあ、選べ。お前自身が魔国を制圧するか、何も出来ずに魔国が制圧されるのを見るか」

正しく、王者の風格。

『…その二択以外に選択肢はないんだよね？』

「当然だろう」







『…私は…』

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