11話 ページ16
NO side
突然自分の隊に入りたい、と懇願してきたこの少女、A。
とても小さく、力はまるで感じられない。
足手まといになるのは目に見えている。
(まぁ、精々捨て駒か盾になってもらおう)
そんなことを思っていると。
「っ全軍!奴の配下であるランガだ!攻撃ィーッ!」
「「はっ!」」
首尾は上々かに見えた。が…
(なんだあいつは…)
ランガに乗っていた恐ろしいほど美しい白髪の女が、こちらに向かってゆっくり、ゆっくりと歩いてくる。
「お初にお目にかかります、皆様。わたくしはテスタロッサ。この地の偉大な支配者であるリムル様の配下です。伝言を預かっておりますので、ご拝聴ください。
このまま、この地を去るのなら見逃そう。しかし、戦うというのならーーこちらも容赦はしない、
とのことです」
そういうなり、パチンと指を鳴らし、炎の壁を作る。
一瞬にして燃え広がり、地面は余りの高熱に溶解しガラス状になる。
「そこを越えれば、貴方方の命はないもの、とお思いください」
優雅に背を向け、歩くテスタロッサ。
(こんな、屈辱を与えられて引き下がるものか…)
「全軍、前進ー」
と指示を出そうとしたその時。
『待ってください』
と、凛とした声が響く。
「何だ貴様。この俺に指図する気か?」
『ーーーー待て、と言っているでしょう。無能が』
「貴様ァ…」
周囲の兵士が殺気立つ。
ガスターもそうだった。
(こいつ…何なのだ?この俺のことを無能、だと?先陣を任されたこの俺を?)
「逆らうなら容赦はせんぞ、小娘。今すぐここで死ぬか?」
『……』
黙ったまま、兵士たちを押し退けて炎の壁の方へ向かう。
「無視とはいい度胸だな、どうするつもりだ?」
その瞬間、少女が振り返る。
その目はあまりにも綺麗で、美しく、そして静かだった。
『…はぁ。いい加減黙れと言っているでしょう。この戦は貴方達にはどうすることもできないんです。
今すぐここで死にたいのか?と仰いましたね。その言葉、そっくりそのまま貴方達にお返しします。
取り敢えず、任せてください』
その余りにも上からな態度に、さらに兵士は殺気立つ。しかし、ガスターは違う。
(この威圧感は…何だ?分からない。しかし…)
逆らえば死ぬ、というのは目に見えていた。
それほど静かで深い威圧を、少女は放っていた。
それはテスタロッサという女と同じくらい…いや。
比べ物にならないほど、不気味で恐ろしかった。
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Ashlee(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年4月18日 20時) (レス) @page26 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
白田黒(プロフ) - りぷさん» ありがとうございます!なろうも書籍もどれも好きなんですよね〜 (2019年12月13日 19時) (レス) id: b2cd999176 (このIDを非表示/違反報告)
りぷ - おもしろいよ、なろうからみてるから!がんばってください (2019年12月11日 22時) (レス) id: 6ead5c4ee9 (このIDを非表示/違反報告)
白田黒(プロフ) - ゆゆさん» ありがとうございまぁぁぁぁす。消さないでおきますね (2019年10月7日 19時) (レス) id: 8931ca5207 (このIDを非表示/違反報告)
白田黒(プロフ) - マイさん» 分かりました。消さずに取っておきますね。更新はかなり先になると思いますが… (2019年10月7日 19時) (レス) id: 8931ca5207 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白田黒 | 作成日時:2019年8月5日 17時