元引きこもりの周りが病んできた…【文スト】

元引きこもりが６２人。 ページ22

相沢side

顎に垂れたラムネを拭う。



気付いたら涙は収まっていた。



手で目元を擦りながら泣いていたから目元が痛い。ひりひりする。



となると、相当酷い顔してるんだろうな、早く家に帰りたい…



ぐっとラムネを一気飲みして、立ち上がった。



『ありがとうございました、乱歩さん。



　私はそろそろ家に帰ります。顔もすごいことになってるだろうし…』



「炭酸一気飲みしてよく歩く気になれるね君。



　そもそもまだ寒いのに冷えっ冷えの炭酸飲んでる時点で僕も君も阿保か。



　……で、帰るの？送ってくけど」



手と頭を同時にぶんぶん横に振る。



『いえ…！そんな迷惑かけられません！



　家に帰ると言っても、この顔どうにかしてまた社に戻りますから！』



そう、いくら無理に休まされたとは言え、連絡もなしに欠勤したんだ。



超特急で準備して行かなければ。



本当なら身なりに気をつかって家に帰る、というのはずるい気もするのだ。



それに、このぼさぼさの髪に乱れた服装。



こんなだらしない格好で社に戻る訳にはいかない。



「ふーん、そう。



　じゃあ早く来てよね！僕暇だし！


　
　それに、社員のみんな心配してたから」



『…！



　はい、急ぎます！』



………今の私今日一笑ってたかもしれない。



今の私の全速力で家(アパート)にダッシュした。

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