引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

元引きこもりが１９人。 ページ26

相沢side

「武装探偵社へようこそ」



「うふふ、よろしくお願いしますわ！」



「い、痛い、そこ痛いってば、ナオミ。



　ごめん、ごめんって！」



ロリコン首領に拾われてから、約９年。



(…そんなに経ってたっけ。経ってるか。)



考えたこともなかった、自分が探偵社に入るなんて。



無駄に使えないこの脳みそが役立つとも思えないし、



人見知りに加えてコミュ症拗らせてるから、



人と話さないうちにころっちゃうマフィアの方が向いてると思ってた。



正直其の所為で人見知り＋コミュ症を拗らせたのだと分かった今。



この状況に、胸を躍らせている自分がいた。



もちろん不安もあるけど、



人生リスタートさせてがんばるぞー！



っていう気持ちが大きかった。



『…よろしくお願いしま』



「こんな無茶で物騒な職場、僕無理ですよ！」



私が返事を返そうとした瞬間かぶせるように



(悪意はないと思うが)中島さんが必死に言った。



「おや、君がそう云うのなら強制はできないね。



　ただ…Aちゃんは此処で働くつもりだったらしいけど」



中島さんが此方を向き「えっ」と声を上げる。



「すす、すみません！やる気を削ぐようなことを言ってしまって…」



『いえ…、いいんです。



　えっと、ほら、此処で働くかは個人の自由ですし、



　中島さんも働きたくないなら別に＿』



「確かにそうなのだけれどね」



太宰さんが私の意見を半否定するように言った。



「だが…働かない、となると、君が住んでる社員寮、引き払わないと」



中島さんが小さく声を上げる。



「あと寮の食費と電話の支払いもあるし…



　それに加えて、君はお尋ね者の虎だからねぇ。



　良ければクビ、悪ければ捕まって射殺だろうねぇ」



「…」



探偵社に中島さんの悲痛な声が響く。



こうして私、相沢Aと中島敦さんは無事…ではないが



探偵社の正式な社員となった。

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