引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

引きこもりが１２人。 ページ19

相沢side

急な怒声にびくんと肩が跳ねる。



声の主の方を振り返ると、眼鏡の男性が腹を立てた様子で此方を睨んでいる。



「この、包帯無駄遣い装置！」



『えっあれ怪我じゃなかったんですか…！？』



眼鏡の男性が私に目を向ける。



「ん、太宰、誰だこの小娘は」



訝しげな目で私を見る眼鏡の人は引きこもりの目には不良のように映ってしまい、



『びええ…』



と、ちょっと気持ち悪いヒヨコのような声をあげながら中島さんの背中を盾にする。



「だ、大丈夫ですよ相沢さん！国木田さんは怖い人じゃないですから！」



わちゃわちゃとする私たちを見てクスっと笑い太宰さんは国木田さんとやらに



私のことを説明した。



「彼女は相沢Aちゃん。昨日私が勧誘した」



国木田さんは溜息をつき、



「太宰お前はどうもこう…、いや、非常事態だ。早く来い！



　人手が要る！」



その言葉に、私は違和感を覚えた。



＿＿非常事態なのに、人手が要るといってもわざわざ社員一人を探す暇があるのかな？

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