引きこもりが愛されてしまった…【文スト】

元引きこもりが３２人。 ページ39

相沢side

探偵社に行く前に、昨日乱歩さんの駄菓子＆ラムネを買った駄菓子屋さんに来た。



差し入れ…と言っちゃ変かもしれないけど、これからお世話になるお礼？で。



ラムネと懐かしい色とりどりの駄菓子をカゴに詰め込み、レジへもって行き、



経営者のおばあちゃんに会計してもらう。



『ありがとうございました』



「気を付けてねぇ〜」



心配してくださるおばあちゃんにニコッと笑顔を向け、再び探偵社への道を歩く。



考えるのすら怖くて必死に避けてたが、



中也師匠があんなに怖く見えたのは、初対面のときぶりだったな。



最初は、私が勝手にめちゃめちゃ怖い人だと思ってたんだけど、



指導されていくうちに怖くなんかなくなってて、寧ろ甘やかせてるとさえ思った。



でも、昨日は違う。



ターゲットを狙う獣のような鋭い目つき。



記憶より低い声。



彼の目には私じゃなくて、一匹の獲物が写っていた。



ポートマフィアを無断で抜けたこと、怒ってるんだろうなぁ、



中也師匠は優しいし、相談もされなかった自分を情けなく思っているかもしれない。



もしそうであるなら、謝らないと。



私の身体能力が上がったのも師匠のおかげだし、



たくさん優しくしていただいたのに、



私は何も言わないなんてもの、私のプライドが許さない。



…かと言ってもポートマフィアに一人で入る勇気なんてないから、



師匠がそうなっていないことを祈る。

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