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逃げんな ページ26

Your side



「亜嵐くんと話してたら、元気出た…かも。」

「うん、よかった。
だから玲於ともさ_____」

「ありがとね。もう大丈夫だから。」


これ以上玲於くんのこと、聞きたくなかった。
だから亜嵐くんの言葉を聞かなかったフリをした。
立ち上がって、泣きはらした顔を洗いに行こうと思うと、すぐに後ろから腕を引かれる。
驚いて亜嵐くんのことを見れば、真剣な表情。


「逃げんなって。」

「…逃げてない。」

「玲於、Aちゃんが思ってる以上に、
ショック受けてる。」

「すぐにまた…カノジョさんできるよ。
玲於くん、優しいから…」

「いいの?玲於の隣にAちゃん以外の女の人が
歩いてても。」

「…っいい、」

「いいって顔、してないけど。」



亜嵐くんに引かれたままの腕。
離して欲しいのに、亜嵐くんの力に敵うわけもなくて、抵抗することもできない。

もう、玲於くんのことで泣きたくないのに。
でもレオくんの隣に女の人がいる姿を想像したら、
今まで経験したことないくらいの痛みが、
胸に深く刺さった。


「嫌に決まってます…」

「…知ってる。」

「玲於くんの隣、私が…いたかった…っ」

「なんで過去形なの、まだ間に合う。」


間に合いっこない。
例え、まだ私にチャンスが残されてたとしても
玲於くんの隣に私がいると、迷惑しかかけないんだから。

好きでいてくれることは嬉しいし、幸せだなって、
幸せすぎて怖いくらいに感じるときだってあった。
だけど…玲於くんはいつも我慢してたんだ。

大好きなメンバーさんと3ヶ月も離れなきゃいけなくなったのに、行く直前まで私の心配ばっかり。



「ごめんなさい…っ、ごめんなさい…っ」



ボロボロと涙がこぼれ落ちてきて、抑えが効かない。
背中にそっと当てられた亜嵐くんの手。
前を通るスタッフさんに横目で見られながら、
私は蹲るように泣きじゃくった。
もうどうでもよかった。
どう思われても、どうでもいい。

玲於くんに、ごめんなさいって言葉だけでも
伝えられたらいいのに。

最後まで→←ハンカチ



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設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於   
作品ジャンル:恋愛
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めぐ(プロフ) - さよなら、純情のパスワードが知りたいです! (2022年3月30日 13時) (レス) id: 87471c5401 (このIDを非表示/違反報告)
甘夏 - お疲れ様でした!!次回作も楽しみです!こちらこそ、本当に面白いお話をありがとうございました! (2020年5月7日 10時) (レス) id: 1d6fa76e88 (このIDを非表示/違反報告)
mmmmmsss0215(プロフ) - はやく更新されないか毎回待どうしかったです。これで終わってしまうのは悲しい。今後のstoryも書いて欲しいです。 (2020年5月7日 1時) (レス) id: 7082c82480 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてました!超超超超大好きな作品です!!!お時間があればで全然大丈夫なのでアフターストーリーも見たいです! (2020年5月7日 1時) (レス) id: f81c34e9d9 (このIDを非表示/違反報告)
mmmmmsss0215(プロフ) - 毎回楽しみにしています。 (2020年5月4日 2時) (レス) id: 7082c82480 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふたば | 作成日時:2020年3月8日 8時

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