好きだよ、レオくん４【佐野玲於】

自由そのもの ページ14

Your side



玲於くんがいなくなった、玲於くんの家。
広すぎるこの部屋。ひとりは余計に広く感じられた。

朝ごはんの食器を洗って、洗濯物を畳んで、
軽く掃除して、そのまま今日の事務所へ向かった。



事務所に着けば、いつも通りの雰囲気。
やっぱり安心するな、この空気感。

まだ誰も来てなくて、時間を確認すれば
集合の40分前。さすがに早過ぎたかな、なんて
考えながら道具をドレッサー前に並べていく。


「おはよー、Aちゃん。早いな。」

「龍友くんこそ、早いですね。」

「今朝、サーフィンしてからきたわ。」


4時起きやで？ってなぜか自慢げな龍友くん。


「あー玲於ちゃん今日からか。」

「はい、5日間。」

「せやからAちゃん、元気ないんか。」

「…そうですか？」

「おん、なんかくらーい顔してんで。」



そのまま携帯でゲームをし始めた。
ほんとに、自由そのものな人だ。
それなのに、すぐにちょっとした異変にも気がつく。
自由で、不思議なひと。それが龍友くん。

しばらくすると、みんな揃っていつも通りの
賑やかな楽屋になった。



「ねね、Aちゃん。俺の髪やってよ。」

「もちろん…だけど、どうしたの突然。」


話しかけてきたのは涼太くん。
自ら私のところに来ること、今までなかったのに。


「なんもないよ、やって欲しいだけ。」

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