好きだよ、レオくん３【佐野玲於】

不可抗力 ページ4

Reo side



また次の日の夜、仕事終わりに立ち寄ったのは病院。
ホノカと待ち合わせてた。
目的はもちろん一つ、おばさんと会うため。


「…俺、罪悪感ハンパない…」

「…うん」

「おばさんにも…」


Aにも、っていうのは言わなかった。
ホノカの泣きそうな表情が目に入ったから。

あぁもうめんどくさい。
なんで引き受けたりしちゃったんだろ。
一時的な気の迷い？偽善者？
ほんとタイムスリップして時間戻したい。



「あぁ、玲於くん…またきてくれたのね」

「…はい、体調大丈夫すか？」

「なんとかね…今は落ち着いてるわ」



まさか玲於くんと結婚するなんて思わなかったわ、
って何回も嬉しそうに俺の手を握るおばさん。

なんでホノカは平気で笑ってられんだよ。


「お母さん、興奮しすぎだよ。玲於困ってる」

「ふふっそうね。でも嬉しくて…」


これで全部嘘でした、なんて言えるわけないじゃん。
こうなった以上、誰かが傷つく結果になっちゃうじゃん。不可抗力だよ、こんなのもう。

おばさんに嘘ってバレたら、おばさん傷つくし
Aにバレたら、A泣かせるし
ホノカに今断っても、ホノカのこと傷つける

誰かを犠牲にしないと、他の物は得られないのか。

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