好きだよ、レオくん【佐野玲於】

乙女心 ページ29

Your side



今朝は現場に4時半入り

もちろん私はそれより早く、4時入り


早起きは小さい頃から苦手。
高校生になるまで、目覚ましだけで起きれたことなんか一度もなかった。



顔を洗って、カーテンを開けると、まだ外は暗い。



「…寒っ」


そろそろマフラーをする時期だなぁなんて
考えながら、タクシーに乗り込んだ。

行き先を伝えて、うとうとしている間に現場に到着。






玲於「…はよ、」


歩いて現場に向かう途中、背後から話しかけられる。


「玲於くん…！早くない？」


玲於「…なんとなく、」




眠そうに目を擦り、おおあくびをかく玲於くん。
寝起きなのかな。




「昨日はありがとね、ヘアピン」


玲於「…ん、付けてないじゃん。今日」


「なんかもったいなくて…付けれない」


玲於「は？勿体無いから付けろよ」


「…乙女心を分かってないなぁ」


玲於「俺、乙女じゃないから」




はぁ、というため息が白い息になって凍りつく。

私の真似をしてか、玲於くんもハァと息を吐いた。



玲於「…冬って感じ」


「もう１１月だね」


玲於「ん、」


「玲於くんは誕生日プレゼントなにがいい？」


玲於「俺一月だけど」


「今から考えておくの」





早すぎだよ、バカ。ってフッと玲於くんは笑った。

くだらない話を玲於くんとできることが…
幸せすぎて、涙が出そうだった。

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