好きだよ、レオくん【佐野玲於】

甘い ページ34

Reo side



痛み止めで痛みは消せても、踊れなかったら
俺にとってはなにも意味はない。

と言っていいほどに、ダンス漬けの毎日だった。



久々に昼間まで寝坊してみるけど、起きてもなにも
する気が起きない。

ほんと俺、ダンスしか取り柄ねーや。






ﾋﾟﾝﾎﾟ-ﾝ


珍しく、夕方ごろになってからインターホンの
チャイムが鳴り響いた。

カメラに映し出されたのは、間違いなくあいつだった




.





「なにしに来たんだよ」


A「…玲於くんの、お見舞い」


「迷惑」


A「うん、わかってた。」


「くんなよ」


A「…どうしても、会いたかったから」




玄関で足元を見つめたまま、少し寂しそうな…
そんな声で言われてしまったら、言い返すにも
なにも言葉が出てこない。



「…分かったよ、早く上がれよ」



仕方なくそういうと、微笑んで嬉しそうに俺の部屋に
入ってくる。




A「歩いて平気なの？」


「まぁ、そんな体重かけて歩かなきゃ平気」


A「無理しないほうがいいよ、
夜ご飯さ…私作って行こうか？」


「いいよ、別に」


A「作りたいんだもん、作らせてよ」


「…っ、分かったよ、」



この物欲しそうな目で見つめられると
俺はオーケーしか言うことができないようだ。

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