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少女 ページ5

「それにしても珍しいね。Aちゃんが社長のところにいないなんて。」


『…太宰お前は父様の話を忘れたのか。今日は政府との会議の日でしょう。』




そう言うと太宰はにっこり笑顔で頷く。
そして国木田を可哀想な目で見つめる。




「だから、国木田君で遊んでいるのだね。嗚呼、可哀想な国木田君。遊ばれるなんて…。」


「なっ、太宰貴様!A様が人で遊ぶなど有る訳が無いだろう!!」




太宰を叱り出す国木田。嗚呼、此れは長くなりそうだ。
そんなことを思いながらも中島に問いかける。




『中島君、乱歩君はどうだった?』


「あー、ホントに電車に乗れないとは思わなかったけど推理はとても凄かったよ。」


「ふふん、そうだろう!そうだろう!なんたって僕は名探偵だからね!!」



『はいはい、凄い凄い。』



そんな和やかな雰囲気の中ダンッ、と勢いよく扉が開かれた。




「A…アンタ今日は本当に休みなのかい?学校から電話が来てるよ。」



『え…。いっ、嫌々、真逆とは思うけれど今日は11日だよね。国木田ぁ…。』













「…A様……今日は10日です…。」








『…学校イッテキマス。』






私はそう言うと口を固く閉ざし学校へ行く準備をした。




ーーーー






『…はぁ。』



学校からの呼び出しがあった今日は短縮の予定だったようで昼間にはみんな帰っていたらしい。
それで昼過ぎになってテストに紛争していた先生から連絡が来たらしい。





『結局、帰るのは7時過ぎ…。父様は帰りは遅いと言っていたし、外食でもしようかな…。』








そんなことを考えながらも駅の前の大通りを歩いていると暗闇の中、少女が一人ぽつんと立っているのが見えた。私の大好きな颰會堂の前に。
もしや、お金がない?そう思った私は少女に声をかけた。





『そこの君、お腹空いてる?』



「……。」




『あー、此れでは軟弱な男の子のようだな…。』



私は自分の話しかけ方に嫌悪感を抱き、首を傾げ少し考えた後にしゃがみ込み少女を見つめる。
少女は感情のない無機質な瞳を私に向けた。





『えーと、私これから独りでご飯を頂くんだが一緒にどうだい?』




安心させるために両手を挙げ降参のぽぉずを取ると
少女は辺りをチラリと見渡したかと思うと首から掛けている携帯電話を握りしめコクリと小さく頷いた。

鏡花ちゃん→←国木田



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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時

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