悪魔 ページ40
『はぁ〜〜、可愛すぎますッッ、お父様!!十歳の時点でこんなに凛々しいとか……はぁぁ、可愛い……。』
「はっはっは、相変わらず嬢は福沢が好きじゃなあ。」
『勿論です!!…其れよりも済みません、お忙しかったですよね……。』
「構わん、構わん。久しぶりに顔も見たかったしなぁ。」
叔父様____福地さんはそう言いお茶を啜る。渡したいものがあると呼ばれ来てみたらばお父様の幼少期の写真…!流石に赤子の頃からのものは無かったが7、8歳頃のお父様。可愛くて仕方が無く思わず叫びたくなる。
「其れより……福沢。まだ結婚しておらんのか?」
『ブッッ、…お父様が結婚しようものなら私……嗚呼……』
「まぁ、彼奴が娘よりも嫁の手を取る姿なんぞ想像出来んがな。」
そう言い両腕を机の上で組み叔父様は此方に真剣な目を向ける。
なんだ、と思いカップを机に置く。
「……ところで、お主…恋人なぞは………」
『居ません。』
「まぁ、居ようものなら福沢が殺すか。」
え…?当然だと頷く叔父様を間抜けな顔で見上げるが当人は至極、真面目なことを言っているつもりらしく如何した?と首を傾げている。私はそれに乾いた笑いを浮かべると向こうからの声に目を向ける。
「隊長、そろそろお時間です。」
「おお、条野。もうそんな時間か」
「ええ……それで其方が例のお嬢さんですか。」
「愛らしいだろう?友人の自慢の娘でな。」
条野と呼ばれたその人は私を頭からつま先までじっくり見るとふむ、と腰にあった手を顎に持っていった。閉じた狐目は乱歩君を連想させる。一応、初対面なので立ち上がり頭を下げ挨拶をする。
『初めまして、福沢Aと申します。』
「これはこれは…初めまして。条野採菊です。」
「隊長から話は聞いていますよ。かの武装探偵社のご令嬢だとか。」
『ええ…、血が付いていますが……お仕事帰りですか。』
「…可笑しいですね。かのご令嬢は血を見ると悪魔のように笑うときい「条野。」
「……はいはい、分かりました。」
彼はそう言い付いた血を払う。私は彼の言葉に後退りをし椅子にもう一度情けなく腰をかける。叔父様は申し訳ない、と一言言い私の頭を撫でると条野さんに厳しい目を向ける。
「それ以上の事を口にするのは儂が許さん。」
「嬢の心音を聞けば判るじゃろう。___此奴はそんな人間でない。」
『……、』
叔父様の言葉に痛む心は見て見ぬ振りをして。
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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時