番外編 ページ27
『へぇ、頭痛薬か、有り難う。』
「いえいえ、姫の仰せと有らば。」
そう言い仰々しくお辞儀をする太宰。
私は完全に油断しきりそれを飲んでしまった。…此が間違いだった。
__頭痛薬は幼児化する薬だったのだ。
太宰は私の睨みに笑みで答えるとそのままスマホをこちらに向け何枚も写真を撮る。
「真坂、小さくなる薬だなんて…可愛いAちゃんが見れたのだから一石二鳥だね!」
『何が一石二鳥だ!…そもそも、絶対に知っていて私に飲ませただろう……』
「……可愛い…!!」
鏡花ちゃんは更に頬を突くのを強める。…地味に痛い。私は鏡花ちゃんを振り払うように飛び降りると国木田の机に向かう。
『国木田、此は全て印刷すれば良いのか?』
「え、えぇ。……ですが、其れ数百枚程在りますか…」
『……何だ、国木田。印刷くらい五歳でも出きる。』
そう言い、強引に資料を背伸びをするように奪うと印刷機まで持っていく。…が、問題が起こる。前がよく見えない上に視界が狭いので良く転け掛ける。
「……駄目だ。仕事が手につかん……」
「……国木田君。仕事は後でも出来るけど小さなAちゃんは今しか見られないのだよ?」
「……其れもそうだな。」
『おい、太宰!国木田を誘うな!!そして乗るな!!後、転けそうになる度に反応するのは辞めろ!!』
「そうは言われましても可愛いンですもの!」
「何と云うか生まれたての小鹿を観ている感じで和みますよね!」
「…賢二くん、それ褒めてるの?」
後ろから小鹿などと聞こえ起こりそうになるがグッと堪える。後少し、後少しで台まで届きそうなのだ。そう踏ん張った瞬間。依頼帰りのあの3人が帰ってきた。
「いやァ、外は暑いねェ。」
「社長〜、冷菓子食べたーい。」
「む……確かAが寒天を作って……」
『うわァッ………あッ……』
後少しだ、そう資料の一隅を置き掛けたとき私はその声達に驚き全て落としその上に転けてしまった。。此処で考えて欲しいことが一つ。精神こそ十七歳だが体は五歳。痛みに耐えられないのだ。
『うッ、……ヒッ……』
「……嗚呼、泣いちゃった。」
驚く父様達を他所に太宰の胸で大泣きしてしまったのは私の一生の恥となるのだった。
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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時