遭遇 ページ25
「ね、……お菓子、無くなっちゃったンだけど。」
『………買ってくるね。』
矢張と云うべきか食料の貯蓄より先に尽きたのは乱歩君のお菓子だった。私は一応、目深に帽子を被ると戸を開け外に出た。
『…んっと、此と……よし、お仕舞い!!』
敵に見つかると厄介なので急いで買い物を終わらす。駄菓子屋のおばちゃんは此方も笑って仕舞うような笑みで会計をしてくれ、何とも良い気持ちで店を出たのだった。
「わっ、……」
『嗚呼、御免ね!怪我はない?』
店を出た矢先で出会ったのは不思議な人形を抱えた男の子だった。その子はぶつかった箇所を撫でるとニヤリと笑う。
「……ねぇ、お姉さん。……見せてよ、狂気を…」
『……狂気って……?……』
私は不思議に思い、目の前のその子と目を合わせるが、その子はキョトンとした顔のまま。
一体如何なことなのか、そう思いながらも自分は急いでいたことを思いだし立ち上がる。
『御免ね、僕!一寸、急いでいるから!!』
「あ…、行っちゃった。」
____何であの人、手形が出なかったンだろう
少年はそう小さく呟くが答えをくれる者は誰もいない。____少年は孤独だから。
_=_=_=_
『あ…忘れてた……』
買い忘れがあったことを思いだし、少し歯を噛み締めると、俯いた性で乱歩君の帽子が落ちてくる。…そういえば、あの人元気かな。
「嗚呼!ドス君かい!?そりゃあもう毎日、君に貰ったマフラーを抱き締めて、君の行動を満面の笑みで眺めているよ!!」
『……え…?』
「気になるかい!?気になるよね〜!ヒントは盗聴機!!あ、答え言っちゃったー!!」
目の前の彼はそう言いとても愉快そうに微笑んだ。
なんと云うかとても愉しそうな人だとは思うが目の前の道化師が言う人物像がこの間の彼の儚い彼とは似て似つかず驚きで固まっていると道化師はそうだ、と言葉を続けた。
「君を浚うように言われてるんだった!!危ない危ない!親友の頼みは守らないとね!!」
『は?えッ、ちょっ!!?』
「其れじゃあー、レッツゴー!!」
『ちょッ、嘘だァァァア!!』
思わず悲鳴を上げてしまったのは突然のお姫様抱っこの性なのか変な穴に飛び込んだ性なのか。誰も知る止しはない。
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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時