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猿芝居 ページ24

『ん……、此処は……』





目を醒ますと其処は見覚えのあるあの部屋で。
目の前には晶子さんが診療盤を片手に座っている。闘いでもあったのだろうか、服が泥で汚れている。







「おや、眠り姫のお目覚めかい?」





『…私、何れくらい寝ていたの。』





丸1日って所だね、そう言い私の額に冷えた手を置く晶子さん。少しぼやける視界を前に戦争はどうなっているのかと訪ねる。少し口を閉ざし顔を剃らされるので、如何なことかと勘繰りをするがなにも分からない。






「Aは知らなくて佳い。」





『……乱歩君。』






そう言い晶子さんの椅子に我が物顔で座る彼は何時も通りだ。否、少し怒っているのだろうか。口角が少し下がっている。





『如何して?…異能力を勝手に使った事は謝るよ。……けれど、あの子を助けるには在れしか方法が……』












「__だからだ。君は人の為なら自分が如何なろうと知ったこっちゃない。……現に君は今、体を壊している。」



「……詰まり、今のAじゃ、足手まといなんだよ。」








『…………』






乱歩君の言葉を頭の中で何度も噛むように繰り返す。何ともらしくないことを言っているんだと思いつつも、優しい乱歩君にこんな事を言わせてしまったことに胸が苦しくなる。







……なんて、思うわけがない。
乱歩君の云うことは確かに正論だ、けれど、此処は探偵社。重症は無傷と同じなのだ。








『……でも、乱歩君より私の方が闘えるし』








「力では勝てないでしょ。」








『…でも、乱歩君より異能は戦闘向きだし。』








「使ったら身体への反動が凄いのに?」



















『だー!もう!!乱歩君五月さ』

「起きたか、」



「……社長。」







お父様だ、私は先程までの淑女として有り得ないような話し方を誤魔化す様に一つ咳をすると笑みを浮かべる。






『お、お父様は……何時から聞いていたので…?』






「乱歩が部屋に入った辺りからだな。」








……終わってる。本当に有り得ない。と言うか乱歩君その顔は全部分かっててやっただろう。あの罵倒も、あの反論も。全て乱歩君の手の上だったと思うと苛ついて仕方がない。














『乱歩君、嫌い。』







「はぁ?…あぁ、解った。悔しいンでしょ」







『……そういうとこ本当に嫌いだよ。』




=_=_=_




福沢は怒る娘がちゃっかりと自分の羽織を着ているのを見ると少し口角を挙げた。

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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時

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