証言 ページ22
「ッわ…。」
「!?……僕、何処から入ってきてンだい。」
探偵社の医務室でお茶を啜り優雅な一時。そんな時突然部屋の真ん中に見知らぬ少年が入ってきた。
与謝野は驚きつつも警戒し少年に声を掛ける。
少年は言わなければならないと口を開く、一生懸命声を張り上げる。それでも、先程の衝撃の性で少ししか出なかったが与謝野の耳に入るにはそれで十分だった。
「…そうかい。有り難う、僕。君のおかげでAが…あいつらが助かる。」
そう微笑むと与謝野は医務室の戸を開け静かに目の前の二人を見据える。
事務員は全員避難した。そこにいる二人、福沢と乱歩は静かに頷くと部屋に足を踏み入れる。
「…怪我はないか。」
「…ッ、お姉さんが…ッ、庇って…ッくれ…!」
「……」
少年の取り乱す様子に乱歩は口を閉ざすが直ぐに与謝野と共にA達の救出へと向かう。
……乱歩は静かに腕を握りしめる。己のやるせ無さが許せない。
与謝野は眉間に皺を寄せ唇を噛む。如何して彼女と一緒に居なかったのか。
福沢は静かに少年の頭を撫でた。その表情からは何も読み取れない。
「…お姉さんはッ、た、助かるの…?」
「……助けるさ。妾はその為に居るんだから。」
少年の問いかけにいち早く答えたのは与謝野だった。
ここに居るのは全員、探偵社の創立に関わっていた者達。故に己の存在意義もAに異能を使わせる罪深さも分かっている。
彼らは足を早めた。
ーーー
Aは異能力を使った直後、倒れた。
それを見たギルドの面々は振り向きもせず己のすべきことの為、足を進めた。
『ッ、……はッ、……』
痛みに身を砕きたくなりながらも与謝野達の到着に向けAは国木田達に簡易な治療をする。
不思議な事にこの中で一番重症なのはAだ。
腹だけでなく留めとして胸と右足も撃たれたのだから。けれど治療をする手を止める訳には行かない。彼らはこの後、きっと激戦に片足を突っ込む。
少しでも辛い思いが減るようにAはそんな事を祈りながら地面に向かって身を落とした。
『……疲れ、た……』
_____
解説
夢主ちゃんが異能をかけたのは襲われた少年です。
あくまで反撃よりも一般人を逃すことを優先しました。
登録者200人、70投票有難う御座います!!
いや、こんなに沢山のお方に見てもらえてると思わなくて感謝で一杯です!!!
……やっぱり皆さん社長がお好きなんですよね!?!?
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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時