福沢諭吉の娘ですが。【文スト】 (ページ15)

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孫娘ページ15

在れは何だったのだろう。
Aは一人考え込む。彼が突然消えた原因、けれど何度考えても在れは間違いなく異能力。

『うーん、不穏だなぁ。』

「なンだい、Aまだ閉めた方がいいのかい？」

『え、いや違…あー！晶子さん絞めすぎだよー！！』

そう、只今お着替え中なのだ。
………メイド服への。
鏡花ちゃんの入社をお父様に認めて貰うため皆で考えたらしい。……本当に好い人ばかりだ。

……ん、一寸待って。
なんでお父様、メイド服でOKを出すと思われているンだ？？

……………いや、考えない方がいいな。どんな好みが在ってもお父様はお父様。

「よっし、出来た！！いやぁ、やっぱり私の目に狂いはなかったね！」

「そうですわね！やっぱりAさんはロングスカァトの方が似合いますわ！！」

『………一寸待って、押さないで！！心の準備が！』

二人に押された先で目に入ったのは鏡花ちゃんとお父様、そしてその周りで何やら喜んでいる社員達。

『えっ、鏡花ちゃん脱いでる……。』

「おや、社長。なンだもう説得は終わったのか」

「残念ですわ、折角、Aさんに言って貰う台詞も考えましたのに。」

『え、なに其れ、聞いてないし説得に必要無かったじゃないか。私。』

そんな衝撃のかみんぐあうとに驚き頭を抱えているとコンコン、と事務所の扉が開き刑事らしき人が二人入ってくる。

「おや、この前部下が逮捕された箕浦君じゃない」

乱歩君の言葉に刑事さんはうっ、と言葉に詰まらせるが直ぐに持ち直し、別件の用事があってなといい事務所を見渡す。

「そこの娘、此処の関係者か。」

刑事さんはそう言い少し高圧的な態度で鏡花ちゃんを見据える。中島は其れに焦り言い訳を始めるが……ツチノコで誤魔化せる訳もなく、明らかに事務所の空気が萎んでいく。

そこに助け船が来た。
お父様は刑事さんと中島の間に入るときっぱりと言いきる。

________私の孫娘だ。

其れには刑事さんも驚いていたが並べて見るとそっくりで刑事さんも納得していた。

だが、しかし私はお父様の娘。それを幾ら鏡花ちゃんでも見過ごせる筈がなく思わず辺りにいた乱歩君の頬を引っ張ってしまったのはナイショだ。

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「…あの娘がメイド服を着ているのは御宅の趣味だったり…？」

「断じて違う」