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お泊まり会。 ページ12

『さてと、鏡花ちゃん!まずはお風呂に入りましょう。』








家に着いてすぐ、鏡花ちゃんにそう言うと鏡花ちゃんは目を見開く。







「でも…、着替え…ない…。」






『嗚呼、それなら大丈夫!私の子供の頃の寝巻きがあるからね。』







鏡花ちゃんはその言葉に安堵した表情を浮かべると同時に申し訳なさそうな顔をする。
私はそんな鏡花ちゃんを無理矢理、お風呂まで連れて行くと微笑む。






『細かいことは気にしないで、御ゆっくり!』






それだけ言い鏡花ちゃんに代えの服を持っていき台所へ向かう。
今日は…豆腐はんばぁぐで良いだろうか。





ある程度まで料理が進んだ頃お父様が部屋に入ってくる。
そして私の姿を見つけ一言だけ言う。






「…今日は肉か。」




『残念ですが牛肉ではありませんよ。』




そう言うとお父様は少しだけ眉を下げる。
…この人は無表情な癖して意外に分かりやすい所が有るのだ。
それにしたって、と私は言葉を続ける。





『鏡花ちゃんの受け入れ、もう許容するつもりなのでしょう。』




「…いつ気づいた。」




『探偵社を出る直前の声色です。』





そんな事でか。とお父様は怪訝な顔をするが意外にこれが大事なのだ。





『お父様、鏡花ちゃんを怖がらせぬようにと少し優しく話していたでしょう?』
『貴方が一度でも親しくしたものを切り捨てた所なんて見たことがありませんもの。』







「…そうか。」





それだけ言うとお父様は椅子に座り今朝の朝刊を読み始めた。
それから10分程した後、鏡花ちゃんが入ってきた。





兎柄の寝巻きを渡したが正解だった様だ。
目が少し煌めいている。





『あ、もう髪を乾かしたの?…乾かしたかったのに…。』



「…御免なさい?」




鏡花ちゃんはそう言うが何とも面白くて思わず笑ってしまった。
……お父様には少し睨まれたが。







『さぁて、出来ましたよ。』






そう言いお皿に盛って行くと鏡花ちゃんは私も手伝う、と前菜を盛り合わせてくれた。
…蕃茄が嫌いなのだろうか。少し少なめに盛っている。





『鏡花ちゃん…蕃茄はお父様のに入れると良い。』






鏡花ちゃんの耳元でこっそりと耳打ちをすると目にも止まらぬ速さでお父様のお皿に蕃茄が盛られていく。







……ごめんなさいお父様。





ーーーー



蕃茄ってトマトのことらしいです。
いや…別にプロフィールでは書かれてないけど…二人ともトマト嫌いそうだなぁって…。

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冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時

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