検索窓
今日:41 hit、昨日:41 hit、合計:55,077 hit

帰宅 ページ11

それから1時間も経たない内に国木田達は帰ってきた。
中島は気絶し、鏡花ちゃんは少しくたびれた様子で。








「!…よくぞ帰った。」






最初に気がついたのはお父様でその言葉に国木田も思わず口を緩めていた。
晶子さんは二人の周りをくるりと一周すると驚いた、と目を見張る。






「敦はともかく…鏡花、あんた怪我は無いのかい?」





鏡花ちゃんはこくりと頷くと中島の方を見て言う。







___この人が守ってくれた。






その言葉に私は少し驚いたものの、中島敦という人間が見えたようで少しだけ口角を上げた。
最初はどうなるかと思われていたこの騒動も気が付けば解決に至っており誰もが安堵したことに違いない。







その後、結局業務再開は明日からとなり、各自退社していった。
中島は国木田が運んでおいてくれるそうなので任せておくが___。





ここで問題が起こる。
鏡花ちゃんを如何するか。
まぁ、結論はすぐに出た。







『お父様、鏡花ちゃんを取り敢えず今日だけ我が家に置いてくれませんか。』




「えっ、何それお泊まり!?狡い!!僕まだ褒められてすらないのに!!」







乱歩君は相も変わらず騒がしいがお父様の剣幕に思わず周りにいる全員が口を閉ざす。
お願いします、と直向きに見つめているとお父様は扉の前に立ち戸を開ける。


















「…帰るぞ。」





『!!ッいいと言うことですね!!有難うございます。』




私は鏡花ちゃんに行こう、と声を掛けると鏡花ちゃんは俯き私の手を強く握った。
表情は良く見えないが、怯えているのだろうか。







『…大丈夫、お父様はあの顔の性でよく怖がられるけれど…本当はすっごく優しい人なんだ。』







「…あなたが言うのなら、……そうなのかな。」







『ふふっ、じゃあ行こっか。』






鏡花ちゃんは私の手を握りこくりとまた頷く。
そしてお父様の後ろで二人並び歩み出した。








『あ、そういえば。まだ無花果の大福が残っているのだった。鏡花ちゃん、大福は好きかい?』








「…嫌いじゃ、ない。」








『そうか、そうか…それは良かった。』










福沢がその会話を少し微笑ましそうに聞いていたことを少女達は知らない。

お泊まり会。→←馬鹿



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (158 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
352人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

冬蜜柑美味い - テンポ…!褒められるの初めてです!!がんばります!! (2月2日 19時) (レス) id: 161dd8d243 (このIDを非表示/違反報告)
笹の葉 - 話のテンポが好きです!頑張って下さい!!! (1月27日 15時) (レス) id: 8035cab69c (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - きんにくふぇち@他力本願。さん» ですヨネ!…でもそういうポジのお方グッズが少なくて…あ、涙が…… (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
冬蜜柑美味い - アキハさん» 超、嬉しいのですが!?頑張ります!! (1月15日 22時) (レス) id: 05bec6341d (このIDを非表示/違反報告)
きんにくふぇち@他力本願。(プロフ) - そりゃ社長好きっスよ……というかイケオジ好き。 (1月15日 21時) (レス) @page22 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:冬蜜柑美味い | 作成日時:2024年1月5日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。