【七種茨】最近副署長は社内デザイナーと仲がいい【あんスタ】

違和感 ページ14

「茨、変な顔してますよぉ」

「してないです。」


しばらくの沈黙を破ったのは、漣…………ジュンさんだった。


「………Aさんに、名前で呼ばれたの、そんなに嬉しかったの？……茨」


くすくす、と小さく笑う乱………凪砂さん。
それを見て、茨さんはあからさまに怪訝な顔をする。


「はぁ、違います。違和感があるだけです。」

「そう…」


チ……と聞こえるか聞こえないかくらいの舌打ちをかまし、凪砂さんから目をそらす茨さん。
当の本人はまだクスクスと笑ってる。

なん、なんか、変な空気にして、すみません………

内心ハラハラしていたが、そんな沈黙は一瞬にして解かれた。


「お待たせいたしました、ウーロン茶と………パンとサラダになります。」


店員さんが料理を運んできたのをきっかけに、全員の表情が緩む。

店構えから何となく察してたけど、料理があまりにもおいしそうすぎる。
サラダの葉はキラキラとみずみずしくて、彩りも鮮やか。ふかふかのパンには柔らかいバターが添えてある。


「お、おいしそう………」


「当然だね！このぼくが贔屓してるレストランなんだからね！」


「ほあ……………さすが、……えっと」



言葉につまる私を見て、「？」と言わんばかりの表情をしたパープルの目が私を見つめる。


「……その、さすが、ひよりさん、ですね。」


「……………」


日和さんに対しても、頑張って名前で呼んでみた。
背伸びしてる感が否めないけど、みんなの事をもっとよく知るためには………
仕方ない…………


ちら、と日和さんに目を向けると、あからさまに目が泳ぎ、こっちとは目が合わなくなった。



「い、茨の気持ちが、ちょっとわかったね」

「…………？大丈夫、ですか」

「なんでもないね…………」

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